中華料理に日本酒なんて合うわけない?
ところが、そうでもないんですよ。組み合わせによっては、むしろ和食より相性が良いものも。
というわけで、これまで試した中華とのペアリングをご紹介します。
扱う中華料理
一言で中華料理といっても代表的な四川、広東、上海など地方によっても大きく異なりますが、あまり本格的すぎるものを扱うのも実際的ではありません。
ですから、ここでは皆さんが普段口にする機会の多い、日本向けにアレンジされた中華料理を扱います。
エビチリ
本場の干焼蝦仁(カンシャオシャーレン)は辛すぎて難しいですが、日本向けにアレンジされたエビチリならばっちり。
ここでは熟成した「諏訪泉 純米」を合わせています。
酢豚
その名の通り、酢がペアリングのポイントになります。
仙禽の蔵の「羽水 UI 生酛純米」を合わせてみました。
回鍋肉
かなり味が濃いので、それに見合った濃さをもつ酒を選ぶ必要があります。
そこでなかなかの曲者である「神亀 純米 甘口」を選びましたが、むしろ酒の方が強いという思わぬ結果に。
その後の調整方法も含めてぜひ参考にしてください。
餃子
餃子って実はそれほど味が強くない料理なので、かなり幅広い日本酒とペアリングできるんですよ。
このときは、餃子専用の日本酒である「梅乃宿 特別純米 餃子」を入手できたので、その実力を検証してみました。
白身魚の甘酢あん
え?これ中華なの?と思うかもしれませんが、れっきとした中華です。
中華は基本的に火入れでどっしりしたタイプが合わせやすいですが、ここではフルーティな「赤武 純米吟醸 NEW BORN 生酒」とペアリングさせています。
肉団子の甘酢あんかけ
これもまた家庭料理としてのポジションを築いちゃってるもんだから、中華料理なのか何なのかよく分かりませんが中華料理ですよ。
乳酸たっぷりの「弥栄鶴 山廃純米70」を黒酢の酸と旨味にリンクさせました。
麻婆豆腐
難敵、麻婆豆腐です。
何が難しいって、唐辛子系だけは日本酒とどうにも合わないんですよ。
だがしかし、このspice飯店で味わった「梅津の生酛 濁り」と合わせる手法はお見事でした。
そしてもう一つ。
あえて軽めの酒で合わせるソリューション。
青椒肉絲
人気の青椒肉絲には甘みのしっかりある燗酒を。
「しぜんしゅ 燗誂」がベストマッチでした。
番外:モンゴル料理
モンゴル料理はモンゴルだから中国じゃないんですが(当たり前)、実は内モンゴル自治区は中国です。
というわけで、中華料理との共通点は多いのです。
広義で中華料理の亜種とか言っちゃったら確実にモンゴルの人に怒られそうですが…
まとめ
こんな感じで、中華料理はむしろ日本酒と相性のいい料理であることがお分かりいただけたでしょうか。
一般的には油と濃い味付けがネックになると考えられがちですが、それに合う濃い日本酒はいくらでもありますし、油もお燗でうまく処理できるのです。
まだ豚角煮とかシュウマイとか油淋鶏とか、やりたいのはいろいろありますので、随時追加していきます。
それではまた!