※ハズレは紹介しません。特に美味かったものには★がついています。
黒松仙醸 特別純米酒
軽くフルーティに香る。甘みは弱目ながら上品、ギュッと凝縮した乳酸と旨み。ほんのりした苦味と共にすっとキレていく。前半の凝縮感は素晴らしい。燗は今一つ。常温のほうが良さが出る。
松の司 ABYSS ★
住吉酒販の限定販売。純米吟醸と純米大吟醸のブレンド。立ち香は爽やかでシャープなぶどう。含むと拍子抜けするくらい甘さがなく、あれ?と思っていると凝縮された酸と旨みがぐぐぐっと押し寄せてくる。こりゃすごい。透明感と凝縮感が時間差で味わえるなんて。
酸は丸みを帯びてどちらかといえば乳酸系だが、どこかフルーティさも内包している。ゆっくり時間をかけて嚥下することで旨みが広がる。逆にすっと飲み込めば酸から旨みに差し掛かるあたりでアフターに移行するのでエレガントな印象に。面白いなあ。こういうタイプの酒にはなかなか出会えない。
澤屋まつもと Rissimo
愛山。軽くフルーティーな立ち香。甘みまったり酸弱め、旨み柔らか、そこそこ厚み。軽い苦味。バランス良い。さすがの一本だが俺が澤屋まつもとに求めるレベルはこんなもんじゃない。
東鶴 純米吟醸 生 BLACK
黒麹使用。ある種の生老ね感が軽くあるが、それはそれで悪くない。むしろそれが味になっている。甘みは強く、酸が効いてジューシー。旨みもしっかりあるが案外洗練されている。複雑さがあって重層的。キレがいいのに余韻は長い。面白い。
天穏 生酛にごり 無濾過純米酒 29BY
濁り独特の香り。含むとマイルド過ぎるテクスチャー。米感が異常。まさに旨みの塊。酸はなくもないが旨みと一体化してわかりづらい。かなり個性的。
長陽福娘 雄町 純米吟醸 25BY
ほんのりアルコールを感じる弱い立ち香。甘味は弱め、酸が効きつつ米っぽい幅のある旨みへ。このへんは雄町ならでは。
5年の熟成感はまるでない。奥のほうでかすかに見つけられるかな?くらい。50%磨きなのも影響してるのかな。
初雪盃 純米吟醸 無濾過生原酒★
4年の生熟。そこそこ香る生熟らしいイソバレ。甘みはそこそこあり、酸がジューシー。旨みはほどほどで濃醇というほどボディは太くない。というかやや軽い?ただ、含み香が複雑なので奥深さを感じる。酸がいい働きをしてキレよし。
燗もいいねえ。フルーティさが出る。
二日目、どういうわけかイソバレが減退してる?なんで?俺の感覚の問題?
とりあえず、生熟感が程よいのでカプレーゼと合わせてみました。
萩の露 葵つぶらか lavable aoi
生酒。アルコール12度。甘やかで蜜のような立ち香。含むといきなり押し出しの強い甘みのアタックがぐぐっと。酸自体はそれほど強く感じないが、ペラい感じはなく、むしろ濃醇。甘さをまとった乳酸系の旨み、ハチミツのようなコク。ふんわりした苦味の余韻。温度が上がるとより甘みが強くなる。
この酒はむしろ変に甘みを抑えるより大甘全開で行ったほうがいいと思うので、あえて常温推奨。
梅乃宿 純米大吟醸 吟
立ち香はフルーティでかなり華やか。ただ、すごく心地よい。甘みはわりとあって酸もそこそこ、旨みもそこそこ。こう書くと話にならないが、要するにバランスがいいってことで。悪く言ってしまえば中庸というか際立った個性はないんだけど、この質の高さで4合瓶1250円は異常なコスパ。
櫛羅 純米 無濾過生原酒
甘み弱くドライ、しゅわっとフレッシュなガス。旨みしっかりでやや辛い。ただ、フレッシュなので田舎臭い辛口酒とは全く別物。櫛羅は熟成も面白いけど、やっぱりこのフレッシュ感を存分に味わいたいな。
会津娘 雪がすみの郷 純米生酒★
毎年飲んでるけど、今年も間違いない。ほどよく香る立ち香。ガス、甘み柔らかで上品。旨みは軽く、最後にほのかな苦味を感じるため、しつこさがなくついつい盃が進んでしまう。レベル高すぎ。
萩の露 特別純米 超辛口 無濾過生★
右も左もわからない日本酒初心者の頃に飲んで、強烈なインパクトがあったわけでもないのに、なぜかずっと気になってて。今回数年ぶりにようやく再飲する機会に出会えた。
今ならわかる、かつてこの酒に惹かれた理由が。それは酸の存在。柑橘っぽい酸がしっかりあってパキっとしたテクスチャー。おかげで酒の輪郭もはっきりと見晴らしがよく、キレもすごい。超辛口なんて書いてあると、おっさんくさい酒かな?と一瞬敬遠しそうになるが、騙されてはいけない。これはめちゃめちゃモダンです。
竹鶴 純米 ★
ウルトラスタンダード。これは燗しか認めない。何回飲んでもうめー、死ぬほどうめー。ぶっちゃけこのレベルの酒があればずっとこれだけでいいやって思っちゃうから危ない。他の酒への探求心を失わせる魔性の酒。
川鶴 讃岐くらうでぃ
タンドリーチキンと合わせるためにチョイス。久々に飲んだけど、ここまでキャッチーに振り切れるってすごいね。
一般的な日本酒の概念では語れない酒なので、これから日本酒を覚えようと思っている人は逆に飲まないほうがいいかも。混乱するよ。
酉与右衛門 吟ぎんが 特別純米 直汲み ストロングタイプ 生
ストロングとは何ぞや。ラベルや肩貼りで謳ってるわけではないんだけど、同スペックの酸度が通常1.8くらいのところ、どういうわけかタンク違いで2.3まで上がってしまったそうで。店のほうでストロングタイプとして通常バージョンとは分けて販売していました。
軽く爽やかな立ち香。甘みはそこそこで、やはり酸ががっしりして強い。全体的な印象はシャープで凝縮感がある。白ワイン的に考えると洋風の料理にかなり合わせやすい。バルサミコと相性良かったです。
丹澤山 凛峰 山廃純米 備前雄町 27BY
先月飲んですっかり気に入ってしまった凛峰。前回は5年熟成だったけど、今回は2年若い3年熟成。甘やかでやや熟成を予感させる立ち香。優しいアタックからふんわりした甘み。酸も効いているが丸いので全体の雰囲気を損なわない。旨みが広がる。あーうめえ。
菱屋 特別純米酒
日常酒の部類ではあるが出来はいい。全体的に軽い。乳酸ぽい旨みのニュアンスも。ぬる燗にすると旨みがまろやかになって丸みを帯びる。こりゃ完全に常温より燗だな。
七水 純米吟醸 生★
乳酸立ち香。かすかなガス。甘みは上品ながらコクがある。旨みは丸い。酸はなくもないが下支え系で表には出てこない。これ好きなタイプだわ。生と火入れの良いところを合わせた感じがある。
あべ 純米 おりがらみ
立ち香はカプロン強い。甘みはそこそこで旨みはおりがらみらしくまったりと。バランスいいね。旨いわ。
自然郷 SEVEN
ややアルコール感のある爽やかな立ち香。軽いガスから上品でエンベロープの長い甘み。酸もほどほどに効いてフレッシュ。長めの甘みの余韻と出過ぎない旨味を同時に味わうと、あっけないくらいにはかなく消えていく。これはうまい…単品で充分だけど、今回はあえてカンパーニュとペアリングさせてみました。