酒メモ

2018年12月の美味しかった日本酒メモ

ハズレは紹介しません。特に美味かったものには★がついています。

花の香 桜花 純米大吟醸

それなりに香り華やか、甘みほどほど、酸もあるが前には出てこない。やや固いか。火入れなこともあり食中には良い。立ち香はまずまずあるが、酸が効いてるためか飲み飽きない。それほど特徴はないものの常に高いポテンシャルをもった酒といえる。

多満自慢 純米吟醸 生原酒 立春朝絞り

立春朝絞りの売れ残りをこのタイミングで。含みはフレッシュ、香りもそれほど老ねてない。中盤で生酒には不似合いな熟成感がふっと顔を出す。まあ生熟ってこんなもんだよねと言いつつ、やっぱりこのへんの微妙なバランス感は面白い。

酒屋八兵衛 山廃純米酒 27BY

キングオブマイルド。いつ飲んでも安定のまろやかさと甘み。ぬる燗で広がりが増して最高になる。大好きです。今回は2年熟成だったけど、もう数年寝かせてもまた良し。

大倉 山廃特別純米 中取り無濾過生原酒

結構なアセトアルデヒドの草っぽさとアルコール感、甘みはドライ。すぐに酸がきて、じわじわ旨み。すっとキレる。そこそこパンチはあるが、愛山らしい柔らかさもある。

辰泉プリミティヴ2017 純米76★

アルコール感のある立ち香。軽くて上品な甘さ。後口で赤ワインを思わせる風味と軽い渋み。これは非常に面白い。アル添ぽい雑味が少し気になるが、燻製と合わせたら、それが逆に絶妙な橋渡し役になってくれた。しかし辰泉は京の華とか、個性的な酒が多いな。

笑亀 純米

味噌麹ですって。へー面白い。立ち香は甘みを感じる。含むと甘みは軽く、酸がしっかり。旨みも厚みがある。このへんは生酛ならではなのかな。よくも悪くも雑味があって粗削りな印象だが、寝かせたら案外面白いかもしれない。後に残る風味が味噌といえば味噌かも。いや、やっぱ気のせいか。

山城屋 Matured 円熟★

昨年より全量純米生酛大吟醸という極端な方向に舵を切った山城屋ですが、これはスタンダードクラス(50%精米)とファーストクラス(40%精米)をブレンドして一年熟成した酒。あー、これ好き。最高。去年スタンダード出たときに、1年くらい熟成させたら結構いけるんじゃない?と思ったのが的中した。軽めなセメダイン系の立ち香。甘み弱めで酸も弱めだがミネラルを感じるので輪郭はしっかりしている。かなりバランス良い。寝かせの効果で旨みに丸さもある。これは完成度高いです。

十字旭 生酛純米原酒 鏡草27BY

雄町でアルコール度数20度。60度に燗つけ。立ち香からしてアルコールが強い。甘みは非常にドライで酸は強め、旨みガッツリ。キレしっかり。なかなかのおっさん系燗酒ですね。

琥泉 純米吟醸しぼりたて無濾過生原酒

華やかなカプロン系、香りはかなり強い。今回はハーブとの相性を見るためにあえて香りの強い酒をチョイスしたのだが、セージやローズマリーといった香りの強いハーブにも当たり負けしないので、このチョイスは正解と言える。味わいはまず含むとガス、甘みと酸はそこそこで旨みも新酒らしく控えめ。軽い苦みがフレッシュ感を助長する。そこまで特徴的な酒ではないが、まあ悪くはない。

蒼斗七星 特別純米

なんと近所のスーパーで1000円で売ってました。どうなってんの。乳酸系の立ち香、甘みはそこそこに丸い酸と旨み。やや草っぽさも感じる。旨みがややエキス感あるが出汁的でもあるので悪くはない。洗練されてはいないが値段考えれば及第点。

たかちよ 無調整生原酒 おりがらみ クリスマスラベル

さすがの甘さ。酸は弱めだがボケた感じはない。いかにも生の感じはあるが前に出過ぎない。アフターでほんのわずかな苦味。非常に飲みやすく日本酒初心者にオススメ。

松の寿 吟醸 氷温瓶囲い うすにごり 27BY

生熟らしい若干くせのある風味。甘みはそこそこ、アタック滑らか、うすにごりのふくよかで柔らかな雰囲気が感じられる。酸は目立たないが、ぼやけている訳ではない。アル添ぽさはまったく感じない。

五橋 穏 山廃純米酒28BY★

あえて木香をつけた山廃。樽酒ほど強い香りではなく心地よく香る程度。常温だと意外にまろやか。高めの燗では酸が強くなり雑味がでて辛くなるので燗冷ましがベストか。

炙りベーコンにペアリングさせるべき日本酒

北安大国 純米 無濾過生原酒

北安大国といえば四段仕込みでとにかく甘い、というイメージが先行していたが、久しぶりに飲むと自分の見識の狭さに気づかされる。グラスに注ぎ鼻を近づけると、柑橘を思わせる立ち香がふわりと香る。ゆっくりと口に含む。ほんのわずかな発泡感とともにジューシーで凝縮感のある甘みと酸が一緒に押し寄せる。旨みも雑味が少なくスムーズで、酸と旨みが一体となった独特なコクが舌の上に残る。最後に軽い苦みの余韻。うーん、これは美味いな。

日輪田 山廃純米大吟醸★

華やかな柑橘系の香り。開けたてはやや発泡感も。ミネラリーでもあり、最後の苦味が収斂性を伴ってキレに繋がる。日輪田の特徴でもある強い甘さはなく案外ドライ。酸がそこそこあるので、かなり柑橘のニュアンスは強い。非常に素晴らしいです。

日置桜 生酛玉栄 純米酒26BY

あーもう旨すぎて言うことないっすわ。日本酒飲み始めの人にとっては結構クセ強くてボディもあるからキツいかもしれないけど、最後ここに落ち着くのは必定というか、もう仕方ないよね。俺は仕事なのでこれからも幅広く飲むけど。

豊圀 純米袋どり 生

立ち香は埃っぽさも若干。甘み強めでフレッシュ。まあまあかな。

弥栄鶴 山廃純米70★

マイフェイバリットのひとつ。祝と祭り晴という珍しい米を使用。軽い熟成感のある香りに優しい甘さと、ともすれば菩提酛にも通じるヨーグリッシュな乳酸がたまらない。口当たりもまろやかで、どちらかといえば濃いが濃醇というほどではなく飲み疲れしない。で、当然ながら燗映えしそうだが、温度が上がるにつれて甘みや幅が広がる反面、酸が弱くなって少し締まりがなくなる。個人的にこの酒の「乳酸」に惹かれているわけで、それがなくなるのはあまり好ましくない。というわけで25-30℃くらいがふくよかさと酸のバランスがとれてちょうどいいな。

多摩自慢 純米大吟醸 たまの慶

おっと意外な乳酸臭。甘みは大吟醸らしく軽い。少し温めたほうが味が開くかも。大吟醸にしては地味な酒だが悪くない。

磯自慢 純吟 低温瓶貯蔵 生づめ

立ち香はイソアミル系だが弱い。柔らかい甘みからの弱い酸。旨みはふっくら。ぬる燗で旨みが広がる。一回火入れしてるからか燗も悪くないね。

鼎 純米吟醸

華やかな香り。甘みも強めで分かりやすいフルーティタイプ。こればっかりじゃ飽きるけど、たまにはいいね。

竹林 純米吟醸 無濾過生原酒 ふかまり

イソアミル系がそこそこ香る。甘みが強くボディは太い。二年蔵内熟成したとのことだが、確かに丸みはある。ただしアセトアルデヒドやイソバレルアルデヒドの嫌な香りはほぼない。アフターでそこそこの苦味があるが嫌な感じはない。全体の乖離がなく完成度が高い。二日目で含み香がよりフルーティになった気がする。

米鶴 私さくらんぼ

赤色酵母使用の花見シーズン向け商品。まず酸臭。強い甘みを感じるがアルコール度が低いため軽い。奥の深さみたいなものは求めるべくもないが非常に飲みやすいジュース。これ危険かも。

かまわぬ 生酛純米 27BY

甘みはドライだが優しいアタック。キレイな酸と軽めの旨み。二年熟成とは思えない軽さ。ぬる燗で甘さが増し柔らかさが加わり最強に。酸が深い。

神亀 辛口純米

スタンダードもスタンダードな神亀レギュラー。いやもう間違いない。普通に美味い。そして燗映え半端ない。しかし意外に甘み強いな。こんなだったっけ?神亀マニアの酒屋店主によるとBYどころかタンクごとに結構味が違うって言ってたので、もしかしたらそういうこと?

ひこ孫 純米

先月に引き続き飲んでみます。ややバニラリーな香り。上品な甘みから酸は弱くまったり系。アフターに心地よい苦み。これが牛肉の焼いた風味と合う。レギュラーの神亀に比べると若干軽くて透明感がある。

天穏 純米酒 26BY

アルコールと若干の糠っぽい立ち香。甘みほどほどで柔らかいアタック。酸は強くないが旨みへの移行がスムーズ。ソトロンはほとんどなし。すごくバランスがいい。