日本酒ペアリング実践

カルディ「燻製牡蠣のオイル漬け」が日本酒と合いすぎて怖い

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実はわたくしコーヒーが大の苦手なので長らく眼中になかったんですが、カルディって珍しい輸入食材の宝庫なんですね。

所狭しと置かれた商品を見ているだけでワクワクしてきます。

一見すると日本酒とは相性が悪そうなものばかりですが、そんな中から意外なペアリングを探し出すのが日本酒コーディネーターとしての醍醐味。

というわけで見つけましたよ!日本酒にバッチリはまる食べ物を!

燻製牡蠣のオイル漬け

今回は既製品を取り上げます。カルディの「燻製牡蠣のオイル漬け」なんですが、めちゃめちゃレベルが高い。もう美味すぎて見つけたらまとめ買いしちゃってます。

フタを開けるとこんな感じなんですが、見てくださいよこのギッシリ具合。これで300円くらいなんですから、マジでコスパ良すぎだと思います。

では、早速いつものように分析から始めましょう。

燻製牡蠣のオイル漬けの分析

香りの分析

まずは香り。

当たり前ですが燻香がかなり強いです。

逆にそれ以外はほとんど感じないですね。

原材料見る限りでは臭み取りのハーブなども使っていないようです。

五味の分析

甘みはほとんどなく、塩味は弱め。

軽い酸味としっかりした旨味で構成されています。

ただ、ボリュームは思いのほか軽く、数値化すると、甘0.2 塩1.5 酸2.5 旨3.5 苦0.5くらいでしょうか。

塩味に関してはオイルによって舌が覆われることで弱く感じているのもあります。

酸は当然温旨酸系でコハク酸および軽い乳酸。

毎回ポイントになる油脂に関しては、非常に軽くてクセのないひまわり油を使用しているため、今回はそこまで問題にはなりません。

もちろん、口当たりがマイルドになり全体的なコクを増す効果としては十分機能していますが。

合わせるべき日本酒を考える

燻製香には熟成香を合わせるのがセオリーです。

そこから単純に考えると数年熟成した旨味の強い酒、つまり純米燗酒系が無難ですね。燗にすれば油のさばけも良くなりますし。

ただ、思いのほか牡蠣のボリュームが強くないので、あまりにゴリゴリな、例えば山陰系の燗酒だと酒が勝ってしまいます。

また、五味のバランス上、旨味以外で突出しているポイントがないため、ドライで旨味重視の酒だと、ペアリングさせたときにやや単調で立体感に欠けてしまう懸念があります。

このため、旨み以外の味を足したい。つまり、甘味と酸味のどちらか、もしくは両方が味の要素として必要であるというわけです。

そんなわけで、今回選ぶべき酒は「熟成香」「しっかりした旨味」「燗上がり」に加えて「甘味もしくは酸味がそれなりにある」というのがポイントになります。

丹澤山 凛峰 山廃純米酒 備前雄町

これらの条件から導き出した日本酒が「丹澤山 凛峰」です。

こちらは2014BYすなわち5年熟成山廃、使用米は備前雄町、磨きは60%。間違いなく燗上がりしますねこれは。飲まなくてもわかる。

とはいえ、とりあえずは味のチェックを。

立ち香は軽い熟香と柔らかな乳酸香。雄町らしい旨味の広がり。

さらに特筆すべきは柔らかい甘味と山廃由来のコシのある酸。

この酸のおかげで、そこそこ熟成酒なのにジューシーにさえ思わせてくれます。

予想チャート

酒の四味を数値化すると甘3.5酸3旨3.5苦0.1くらいですか。

牡蠣と合わせるとこんな感じ。

ボリュームは問題なくマッチしており、甘・酸・旨のトライアングルも美しい。これは期待大です。

実食!

真っ先に鼻をくすぐる牡蠣の燻香。

香ばしいですね~。

口に含むと最初に油分を感じ、膜が張られたような鈍い感覚。しかし噛むことで一気に旨味が弾けて、同時に酸が輪郭を与えます。

ここですかさず燗付けした凛峰を。

狙い通り、酒の甘味が牡蠣の足りない部分を補完し、旨味と酸が完璧に同調。

油分は燗で完全に流れるため口内がしつこくなることもありません。

これはヤバい。ギャップと同調の効果を同時に味わえるなんて…。

まとめ

今回は丹澤山を合わせましたが、これ以外にも相性のいい日本酒はたくさんあると思います。

とりあえず、ポイントは「燗上がり」「甘み」で、そこさえクリアできれば相当汎用性があるおつまみです。見つけたらぜひお試しを。

ではまた!

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