コラム

小さな飲食店がウィズコロナを生き抜くために2

先日も書いた話の続きだが、よりマーケティング的な視点から店の存続戦略について考えてみようと思う。

現在の状況

7月に入り東京都の感染者は連日100人オーバーだ。とはいえ、第一波の頃と数字は同等でも意味合いが全く異なる。現在は特に感染が蔓延していると考えられる業種(いわゆる「夜の街」)を中心にPCR検査を大幅に拡大、いわばあぶり出しを行なっている結果だからだ。

最も恐れるべきは医療崩壊であることは一貫して変わらないが、現在あぶり出されている感染者の大半は20-30代が中心で、重症化している患者は少ないため病床にはまだ余裕がある。

参考⇒新型コロナ感染者増で新宿区など都内の医療機関はどうなっているのか

じゃあ怖がることはないね!と手放しで喜ぶわけにもいかない。この夜の街関連の感染者がそのコミュニティだけ留まってくれればいいが、彼らも公共交通機関やスーパー、飲食店などを利用するわけで、そのせいかどうかは分からないが感染経路不明者や40代以上の感染者も日々増加している。

つまり今はまだレッドゾーンの真っ只中ではないものの、我々に感染するリスクは患者数に応じてじわじわと高まっているのだ。

利用者の不安は変わらない

緊急事態宣言が解除されてから飲食店の利用客は少しずつ増えてきている。しかし、ここのところの状況もあり多くの市民は不安を拭いきれていない

ちょっとこちらの記事を見てほしい。

Foodist Media:飲食店に「席間隔」と「換気」求める声多数。ホットペッパーグルメ外食総研が調査

前回の記事でも利用者のアンケート結果を取り上げているが、こちらではまた少し違う切り口でアンケートを行っている。

6月上旬の時点ではあるが、外食を再開するつもりの人(「以前と変わりなく」・「以前より頻度低く」の計)は53.9%とある。

この層はとりあえず戻ってきてくれるだろう。一方「もう行かない」「まだ控える」の合計も37.9%とかなりの割合である。

客が戻らないと嘆いている店は、単純に後者の層を取りこぼしている可能性が高い。

もちろん、店によって地域性や客層の違いがあるので、この結果をそっくりそのまま当てはめることはできないが、少なくとも女性客も重要なターゲットと考えている店は、しっかりとした対策が必要であると読み取れる。

今回、および前回示したアンケートからもわかるように、大多数は多かれ少なかれ不安を抱いている。しかし、それでも外食はしたいというジレンマに悩まされているのだ。

商売の基本は客の求めていることを読んで、いかにそれに応えるかにある。ここまで来たらやるべきことはもはや明白だ。

徹底した感染症対策をアピールポイントに変えよう

この状況下だからこそ、徹底した感染症対策をアピールすることが店の売りになるのではないだろうか。

もう一度言うが、多くは感染の不安を抱えている。しかし、外食もしたい。なのに多くの店ではしっかりとした対策が行なわれているか明確ではないために来店を躊躇してしまう。

前回の記事を書いた時点からすれば、多少は感染症対策について店頭に貼り紙をする店なども増えてきているが、まだまだ少ない。そして、その対策自体もぬるい場合が多い。

だからこそ、徹底した感染症対策は他店との差別化になり、客を集めるための大きなアドバンテージになるはずだ。

パーテーションを設置しよう

徹底した感染症対策をするとなれば、ソーシャルディスタンスの観点からも来店人数の制限はせざるを得ないが、正直なところそれをやってしまうと苦しい経営状態は改善しない。

その問題を解消するには、パーテーションを設置するか、客単価を上げるしかない。パーテーションに関しては賛否あるのも事実である。それよりは距離を取りたい、という声もある。

しかし、単に距離を取るよりも物理的に飛沫を遮蔽するほうが予防効果があることは間違いない。マイクロ飛沫の問題もあるのでパーテーションだけでは完璧ではないが、常時換気も併用することでリスクは最小化できる。

いずれにしろ、現状考え得る完璧な対策ができた上で、外部へのアピールが上手くいけば、もしかすると捌ききれないくらいの客が殺到することだって十分にあり得る。

それだけ現況の需要(対策されている店に行きたい客)と供給(対策されている店)の数は釣り合っていないのだ。

もし、本当に客が殺到するような状況になれば多少単価を上げることも可能だろう。酒や料理の金額を変えたくないのであれば、対策費(設備費)としてチャージでいくらかいただく方法もある。

もちろんそれはしっかり説明する必要があるが、万一それで「面倒くさい店だな」と去っていく客がいたとしても追わなくていい。もっと大切な客が後ろでたくさん待っているのだから。

プレスリリースを打とう

前回も書いたが、アピールは大切だ。売りにしようってくらいだから店頭やSNSでの宣伝は当然、できることならネットニュースやメディアなどに向けてプレスリリースを打つべきだ。

リリースの打ち方については各自でググってほしいが、気を付けるべき点が一つ。それは、なるべくタウン誌や地元のラジオ局、ローカルテレビ局をターゲットにすること。あまり範囲を広げてしまうと、越境して来店してほしいということになり感染症対策としては矛盾してしまうためだ。

大丈夫、小さなところから始めて噂が広がれば大きなメディアのほうから取材させてくれと依頼が来るかもしれない。まあ、そのころには店は大繁盛でそんな必要もない状況になっているだろうが。

まとめ

知人にこれを話したら、いやいやそんなに簡単じゃないよ、と言われてしまった。確かにそのとおりである。この通り万全の対策をしても結果は出ないかもしれない。

しかし、だからといって手をこまねいているだけで状況は改善するだろうか?設備投資や備品費はかかるが、小さな店であれば数万程度だろう。リスクもほとんどない。

だったら、やるだけやってみませんか?

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