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ハチミツ燗とスイーツペアリングの可能性

honeycone

日本酒の熱燗にハチミツを溶かして飲むハチミツ燗をご存知ですか。

まだほとんど知られていない飲み方ですが、スイーツとペアリングさせる際にかなり有効なのでご紹介します。

なぜハチミツ燗がスイーツに合うのか

日本酒にハチミツを混ぜる。どう考えても邪道な飲み方ですね。

元の日本酒がどんな味わいであろうと、全部ハチミツに強く支配された味になるので、酒を作った人に失礼だ!という意見も理解しますが無視します。

だって、美味しいんだもん!

日本酒ならではの旨味がスイーツの旨味とリンクしたときに、得も言われぬマリアージュが生まれるのです。

これはお茶やコーヒーでは得られない体験です。

通常は日本酒と甘みの強い食べ物をペアリングさせると、本来日本酒の持つ甘味がマスキングされてしまい、スッキリしすぎで味気なく感じてしまうんですね。

その問題を解消するには、日本酒側の甘みが食べ物より強い必要があります。

しかし、一般的なスイーツよりも強い甘味を持った日本酒なんてのはほとんど存在しません。

そこで、人為的に甘味を足すことでバランスを取ろうというわけです。

甘味の均衡がとれることで、洋菓子であれば生クリームやバターの旨味(脂肪味?)が、和菓子なら餡の旨味が、それぞれ日本酒の旨味と同調して互いに引き立てあうようになります。

ハチミツ燗の作り方

使う酒

使う酒については、実はどんなタイプでもOKです。

酒の味の濃さ

濃い酒であれば、全体的にパンチの効いたものになりますし、反対に淡麗な酒であってもハチミツの味自体が濃いので必然的にボディは太くなります。

まあ、日本酒の旨味を生かすという観点からすれば、濃醇なほうがより恩恵を得られますね。

酸の強さ

酸の強い酒は甘酸っぱくなってこれはこれで美味しいんですが、合わせるスイーツによってはこの酸味が邪魔になる場合があります。

そこを考えると酸度低めの酒のほうが無難かもしれません。

ただし、フルーツ系の酸味を生かしたスイーツであれば問題ないと思います。

ハチミツの種類

ハチミツの種類についても酒と同様、特に問いません。

こだわりたい方はマヌカハニーなどの高級なハチミツを使ってもいいと思いますが、純粋ハチミツであればなんでもいいんじゃないでしょうか。

ただ、安物だと変な味がしてマズい場合もあるので、そういうのは当然避けましょう。

ハチミツの量

酒に対して10~20%程度が妥当ですが、合わせるスイーツの甘さおよびお好みで増減しても大丈夫です。

作り方

特に手順や決まりはありませんが、徳利に直でハチミツを入れちゃうと溶かしづらいのでチロリにするか、もしくは猪口か杯のほうに適量を垂らして燗を注いでから溶かすのがいいと思います。

合わせるスイーツ

いよいよ肝心のスイーツですが、これまた何でもいいという適当なことしか言えないんです。すいません。

洋菓子ならショートケーキ、ムース、チョコ系、アップルパイ、フルーツタルト、チーズケーキ、クッキー、フィナンシェ、パウンドケーキ、モンブランなど。

和菓子なら豆大福、柏餅、草団子、みたらし団子、すあま、羊羹、まんじゅう、道明寺、本当になんでもござれ。

ただ、それぞれスイーツの甘みの強さに応じてハチミツの量を調整する必要はあります。

食事とのペアリングでも有効

甘みを足すことでバランスが取れるケースもあります。

例えば、甘味が強い煮物(煮つけ)、すき焼き、照り焼き、砂糖の入った卵焼き、豚の角煮など。

酒にほんの少しハチミツを加えることで料理に負けなくなります。

もしくは苦味のあるフキノトウやゴーヤを使った料理などでも甘苦い味わいになって面白い効果を得られます。

その他、合う料理のパターンは下記をご参照ください。

もともと甘口の酒を使ってもいいんだけど香りが邪魔だなあ、という場合などは特に有効。

香りが穏やかな酒にハチミツを加えることで、邪魔な香りがなく甘口の酒が出来上がるので、上記料理とのペアリングが容易になります。

まとめ

非常に変態的な飲み方ですが、一度騙されたと思ってやってみてください。

コーヒーやお茶でスッキリ流すのとはまた違った面白さを味わえますよ。

まあ、紹興酒に氷砂糖入れるのと同じですな。

ところで、ひとつ注意しなければいけないことも。

飲酒時は肝臓における脂肪の代謝がストップします。

つまり、通常時よりも太りやすいってこと。甘いものとアルコール…説明しなくても分かりますよね。

一応そのリスクは承知しておいてください。

なお、ハチミツじゃなくて砂糖を足したらどうなるか気になって試しましたが、明らかにハチミツのほうがいいです。

砂糖だけだと、どうしても薄っぺらい味わいになって奥行きが出づらいのです。

ハチミツ燗はまだまだ可能性がありそうなので、引き続き探求していきます。

それではまた!