酒メモ

2019年12月の美味しかった日本酒メモ

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こないだ2019年が始まったと思ったらもう終わりかよ。年を取ると月日の経つのが早く感じられて嫌ですね。

最近はこれまでスルーしてきた淡麗系が好きになりつつあります。単体で飲むと物足りないんですが、食事と合わせると思いもよらぬマリアージュを見せることがあって面白いんです。

※特に美味かったものには★がついています。

長陽福娘 生酛無濾過生 限定直汲み★

これ、去年も飲んでるやつだけど、かなり良い印象だったため1年越しのリピート。

ごく弱いフルーティな立ち香。そこそこのガスからドライなアタック。甘みはかなり抑えてある。含み香で少し生ぽいフレッシュさが顔をのぞかせる。酸は目立たず、旨みは締まっているが、やや長めの余韻。いやあレベル高い。燗もなかなか面白い。ドライなので変にダレない。

腰古井 ひやおろし

千葉の比較的マイナーな蔵で都内ではあまり見かけない。西荻窪の三ツ矢酒店で発見したため即確保。

ほんのり乳酸を感じる立ち香。フルーティさも。やわらかく丸みのある甘さ、酸は弱く、米の旨味が豊かに広がる。うん、この米感、悪くない。

綿屋 院殿 Splendid★

痛恨の写真撮り忘れ。そして氷温熟成で数年のはずなんだけど痛恨の年数忘れ。青りんごを思わせる爽やかな立ち香。甘さは控えめですぐにジューシーな酸が、旨みは上品、いい意味で水。

日向燗くらいまで温度を上げると酒が開いてジューシーさがマシマシ。40℃まで上げてしまうとアルコール感がきつくなりイマイチ。

綿屋 美山錦 特別純米酒 美山錦55

綿屋は大好きでこれまで何度も飲んできてるが、もっともスタンダードな美山錦とじっくり向き合ったことがなかったので、買ってみました。

ほどほどの甘味からジューシーな酸。旨みは抑えめで凝縮感がある。淡麗ながら骨格がしっかりしており、いくらでも飲めてしまう危険な酒。

二日目、崩れるというほどではないけど、少し酸がゴツッとしてきて開けたての繊細なバランスが消えてしまう。意外に熟成に耐える銘柄なんだけど、これに関しては早飲み推奨かな。

越の誉 清吟

アル添吟醸。ほのかに吟香、まずまずの甘味からスムーズに軽めの旨味へ。酸は表には出てこないものの、そこそこジューシーさもある。アル添ならではの軽さが魅力だが変に薄めた感じは全くない。基本的には新潟淡麗のいいところを体現しているように感じる。

開けたては品があってフルーティ。繊細さと腰の強さを両立させているが、二日目以降はやや崩れる。妙に腰の強さだけ残ってしまうな。

玉櫻 生酛純米山田錦65 22BY★

7年半くらいの熟成。さすがに濃厚な熟香。甘みが結構あり、濃醇系の古酒としてバランスがいい。玉櫻は以前、新酒を飲んだ時、ちょっと物足りなかった記憶がある。やはり熟成してなんぼの銘柄なんだな。

梅乃宿 特別純米 餃子

特定の料理や食材とのペアリングを謳った日本酒は数あれど、梅乃宿さんもだいぶ攻めたのを出してきたなあと。いや、ぶっちゃけ餃子と日本酒なんて、ちょっと旨みがしっかりした火入れ純米ならだいたい合うんだけどね。それでも、それを知らない人が多い現状に風穴を開ける意味でもとても素晴らしいと思います。

味のほうは、ふんわり柔らかい印象で、やはり旨味の部分が餃子と同調させるキモ。燗もすごく良かった。詳しくは以下の記事を。

二兎 純米 山田錦六十五

ここ数年でぐいぐい知名度を上げてきている愛知の銘柄。目立つ派手さはないものの濃醇かつ落ち着きがあり、この日合わせた中華料理とは抜群の相性を示した。特に青椒肉絲が良かったですな。

しかし2年ほど前に全く同じものを飲んだ時はむしろマイナス評価だったのに、そのときからずいぶん造りが変わったのか、自分が変わったのか、飲んだ店の保存状態が悪かったのか。こういうことがあるから日本酒は面白い。

白真弓 特別純米 極米芳醸

岐阜の全然知らない蔵。たまたま伊勢丹の酒売り場で試飲やってたから飲んでみたら濃いめでまとまりがある好きなタイプだったので購入。ひだほまれという酒米を使用し、1年間蔵で熟成。

先ほども書いたように、濃いめでまとまりはあるが、甘すぎず非常に落ち着いたいい酒。燗も映える。もう2年くらい寝かせてもいいかもな。