第二弾では蔵の主力である辛口系のお酒3種を取り上げます。
やはり、弥右衛門と言えばこのあたりのラインのイメージは強いですよね。
いずれも辛口系ではあるけど3本それぞれで合うつまみは少しずつ違います。
大吟醸辛口 弥右衛門
アル添の大吟醸と言うことで、この蔵にしては華やかな香りが若干感じられます。とはいえ、食事を邪魔するほどではないですね。
味わいはキリっとしてキレが良い、典型的な辛口タイプ。
純米吟醸 弥右衛門
実は今回検証した全9種の中でもっとも幅広く食べ物と合ったのが、この純米吟醸でした。大定番の純米辛口よりもペアリングのポテンシャルが高かったのは意外でしたね。
本当にクセがなくてスムーズなので様々な料理に寄り添ってくれるんです。特に味の濃いつまみと好相性でした。
純米辛口 弥右衛門
甘味は控えめ、酸味は弱め、うま味はしっかり、それでいてやや淡麗なので、料理の邪魔をしません。
いわゆる食中酒のお手本のような造りなので、正直何を合わせてもだいたい及第点のペアリングにはなります。ただ、爽やかな青草のようなニュアンスもあるので、そこをどう生かすかがポイントにはなってきます。
提案したいつまみ
生ハムクリームチーズ
相性度:◎大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ○純米辛口
まず合わせたのは何の工夫もない名前のコイツ。クリームチーズを適量、生ハムで巻いていただくだけの手軽なおつまみ。
いかにもワイン的なつまみですが、生ハムの塩気が強いので日本酒やビールとも好相性。
辛口の日本酒に塩気の強いつまみを合わせると、酒の甘味が引き出されるのでよく合うんですよね。
ネギ味噌じゃがバター
相性度:◎大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ○純米辛口
ネギ味噌も同じ方向性。塩辛いものでお酒の甘味をより引き立たせる作戦です。
ネギ味噌だけだとやや物足りないので、じゃがバターと言う土台に乗っけましょう。
ジャガイモを半分に切ったら、濡らしてからラップで包みレンジで3分でOK。
そこにみじん切りのネギと味噌を混ぜたものを乗せるだけです。
塩辛じゃがバター
相性度:○大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ○純米辛口
ネギ味噌から塩辛にチェンジしただけです。塩辛とじゃがいもの風味を繋いでくれるバターは必須です。
大吟醸が相手だと塩辛のパンチが強すぎるんですが、純吟だとちょうどいいですね。
数の子わさび漬け
相性度:○大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ○純米辛口
前回の高級酒シリーズでも大活躍しましたね。
軽い吟醸香が酒粕の風味、わさびの清涼感とベストマッチ。これは本当によく合います。
カマンベールなめろう
相性度:◎大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ◎純米辛口
こちらも前回の高級酒で紹介したものですね。とにかく幅広い酒と合うつまみです。
ペアリングの方向性としては高級酒と同じですが、酒にふくらみがある分、チーズのうま味の同調性はこちらの辛口ラインの方が強いです。
特に純米辛口と合わせると、カマンベールのコクが米のうま味とぴったり重なります。
豚ロースのワサビ漬け乗せ
相性度:◎大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ○純米辛口
塩コショウして焼いた豚ロースにワサビ漬けを乗せて巻いて食うだけなのですが、これが辛口系の酒と滅法合うんです。
特に純米吟醸とはベストマッチです。
豚ロースでなくても、脂少なめのあっさりした肉であれば鶏むね肉などでも同じように楽しめます。
かっぱ巻き(ごま油+塩)
相性度:○大吟醸辛口 ◎純米吟醸 ◎純米辛口
辛口系のお酒と寿司の相性は抜群!
魚介の寿司も当然合いますが、ここではより米のうま味が前面に出たかっぱ巻きをどうぞ。
特に純米辛口は米のうま味がしっかりしているため、米そのものとのペアリングもおすすめなのです。
そしてここで一工夫。醤油ではなく、ごま油と塩をつけて食べてみましょう。
醤油は主張が強すぎるので意外にお酒と同調させづらい調味料なんです。シンプルな塩味が酒の甘さを引き出し、さらにごま油の風味で全体がまとまります。
なお、少し華やかさのある大吟醸辛口の場合は、ここにレモン汁を少しだけ垂らすと一気に距離が縮まりますよ。
まとめ
カマンベールなめろう、ネギ味噌じゃがバター、数の子わさび漬け、豚ロースのワサビ漬け乗せあたりはこのラインと本当に親和性が高いです。
これって、分解してみるとどれもネギ味噌かわさび漬けが乗ってる(か混ざってる)んですよね。
チーズやジャガイモ以外でも、適当な土台と組み合わせればほぼ無限につまみがクリエイト出来ちゃいます。そして、間違いなく大和川酒造店の主力辛口ラインには合うのでぜひお試しを。