日本酒ペアリング実践

焼き菜の花のグレープフルーツ添えに新酒を合わせる

新酒の季節がやってきました!

私は熟成酒こそ日本酒の醍醐味と思ってるのでそんなに興味はないんですけどね!

ま、そうは言っても毎年10本くらいは飲みますが。

そんなわけで、新酒に合いそうなつまみを試してみました。

菜の花を焼くということ

普通、菜の花って茹でますよね。それが驚くべきことにこの本だと焼くんですよ。

しかしこれが面白い。香ばしさが加わって、まるで海苔のような風味になるんです。

トースターか魚焼きグリルで5分ほど焼いたら塩を適宜振りかけます。

そして、付け合わせにグレープフルーツ。絞った果汁も菜の花にかけちゃいましょう。

苦味と爽やかさが菜の花とマッチして非常にいい感じです。

合わせる酒を考える

とりあえず新酒で行くということは決まっています。

新酒といえばフレッシュさ、爽やかさが持ち味。

一方、菜の花およびグレープフルーツにあまり甘みはなく、ほんのり苦いのが最大の特徴。

ここに合わせるならば、酒にも少々の苦味とそれなりの強度が必要。

グレープフルーツの酸が強い分、酒の甘味が際立つので、甘味は控えめのほうがバランスが取れるでしょう。

とはいえ、新酒であればそこまで深く考えずとも、だいたい合うと思いますが。

天明 中取り零号

というわけで、今回のチョイスはこちら。

福島の天明です。モダンかつキャッチ―な造りで非常に人気が高い銘柄です。

一発目の新酒である零号は、うすにごりで素晴らしくバランスがいい一本。

実は購入した酒屋(地酒屋こだま)でグレープフルーツに合うのってどれっすかねえ、と聞いて出てきたのがこの子だったのです。

いや、もう単体でも美味すぎ。新酒興味ないとか撤回します。

実食&分析

焼いた菜の花の香ばしさがいいですね。少々の塩気と爽やかな酸味を感じます。

そして後半で菜の花の特徴である苦味がやってきます。

ここに新酒が重なると甘味と苦味が融合して菜の花の風味に広がりを加えます。

さらに、菜の花の苦味と同調することによって、しっかりと料理との繋がりを保ってくれるのです。

分析

では五味チャートを見てみましょう。

なかなか面白い形だな。

料理にはない甘味とうま味を酒が補完していることが読み取れます。

いや、今回の場合は、むしろ酒に対して、菜の花とグレープフルーツがアクセントと輪郭を与えていると表現したほうが正確かもしれません。

もう少しシャープな酒だったらきれいに同調したかもしれませんが、天明は少し甘味とうま味のボリュームが大きかったんですね。

そのため、つまみではなく酒が主役となった感があります。

うん、でもこれはこれで楽しいペアリングだと思います。

まとめ

しかし天明は美味いですね。グレープフルーツ単体であれば、より強度が上がるのでぴったり同調します。

なお、つまみのほうももっと美味しくなる可能性を感じます。

今回は強火で5分でしたが、もう少しじっくり時間をかけて焼いたほうが、より旨味が引き出せるような気もします。

近々再チャレンジしてみよう!

それではまた!