日本酒ペアリング実践

チーズリゾットにペアリングさせる日本酒を考える

チーズと日本酒の相性はすでに広く知られるところですが、それを応用したチーズリゾットと合わせるべきは、どのような日本酒なのでしょうか。

リゾットとは

今回はチーズリゾットです。いつものように、リゾットの概要から簡単にご説明。

リゾットはイタリア料理の一つで、中東の米文化とイタリアの料理法が融合して出来上がったものと言われています。

日本では洋風に味付けした雑炊をリゾットと言うこともありますが、生米を炒めてからアルデンテまで煮るという点で全くの別物です。ポイントは粘りを出さないようにすることですね。

レシピはわざわざここで書くまでもないでしょう。私より皆さんのほうが詳しいと思いますので。

チーズリゾットの分析

では、ペアリングさせる日本酒を探る前に、まずはいつもの通り料理の分析から。

香りの分析

今回のリゾットはポルチーニが少量、香り付けで加えられています。この香りはかなりポイントになります。それから、パルミジャーノ・レッジャーノの風味も大きいですね。さらにゴルゴンゾーラも少量加えられているようです。

五味の分析

チーズリゾットの五味チャート

五味の値としては、甘0.1 塩3 酸3 旨4 苦0.1といったところでしょうか。

塩味およびチーズの旨みがメインで構成されますが、意外にチーズ由来の酸味もありますね。

今回いただいたものは、そこそこ濃厚なのでボリューム的には強めです。

合わせるべき日本酒を考える

さて、これはどこをポイントにして選ぶべきか。香りか、それとも五味のバランスか。しかし今回に関しては、どちらでもない「テクスチャー」に着目したいと思います。

テクスチャーとはすなわち食感とか質感、もっと言うと口当たりのことを指します。

リゾットのどろっとしたテクスチャーに合うのは「にごり酒」一択でしょう。

生酛のどぶ

というわけで、今回チョイスしたのは食事に合わせやすいにごり酒の代表格、生酛のどぶです。

睡龍でもよく知られている奈良の久保本家酒造、渾身のどろどろ酒。アルコール感はそこそこあって、甘みはほぼ感じず、とにかく旨みが強い、酸もしっかり。アフターで複雑な苦味も感じられます。

燗にしても最高、というか燗にしたほうが明らかに美味い酒です。

チーズリゾット×生酛のどぶ 予想チャート

数値的には甘1 旨4 酸3.5 苦2.5ってところですか。

予想チャート上では旨味と酸味のボリュームが同調するものの、苦味がどういう影響を及ぼすか、少し気になるところ。

まあ、今回のポイントはそれよりもテクスチャーですから、なんとかなるでしょう。

実食!

それでは実食です。

まずはポルチーニの香りが鼻腔を刺激。熱いリゾットを口に含むとトロリとした食感から、チーズ由来の旨みと酸が混然一体となって押し寄せます。旨みの余韻が残る中、すかさず生酛のどぶを含むと…

あれっ、合わない!なんで?このシリーズ初の失敗か!

なぜ合わなかったのか

実はこのにごり酒、開栓直後はまだまだ硬いんです。また、今回は50℃強に燗をつけたんですが、この温度帯だと若干トゲトゲしさが出てしまう。この辺のニュアンスが今一つリゾットの柔らかさと同調しなかったんでしょう。

酒の調整

この酒って本来は2年くらい熟成させてナンボなんですよ。というわけで、仕方ないのでできる範囲でマイルドにしましょう。このまま2週間くらい常温放置でイジメます。

…2週間後、まだ若干アルコール感が気になったので、一旦飛び切り燗まで温度を上げてから、40℃まで燗冷ましして飲むことにします。

よし、ずいぶんマイルドになったぞ。今度こそ。

再度実食!

今度はバッチリ合いました。余計な硬さがとれて、スムーズにリゾットと馴染みます。テクスチャーの同調も狙い通りで、一体感がすごい。美味いわあ。

まとめ

いやー、今回は危なかった。でも、こうやって調整することでペアリングを完成させるのも面白いものです。場合によっては、割り水燗なんかも使えますね。

ではまた!

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