日本酒ペアリング実践

信州舞姫「チロルチョココーヒーヌガーに合う日本酒」を検証する

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長野の「信州舞姫」が限定3000本でちょっと変わったお酒をリリース。

なんとチロルチョコに合う酒とな。

ペアリング研究家としては避けて通れませんね。

運良く入手できたので、本当に合うのか検証します。

信州舞姫

信州舞姫といえば長野で120年以上の歴史を持つ銘醸。「信州舞姫」のほかに「翠露」なども良く知られています。

その酒質はキレイでやや甘め、フルーティで華やかな香りの酒が多い印象です。

「チロルチョココーヒーヌガーに合う日本酒」のスペックと味わい

酒類区分純米吟醸
アルコール度数7.0
原料米国産米
精米歩合59%
日本酒度非公開
酸度非公開

ホームページによるとこのような感じですが、味わってみた感じ日本酒度は-20とか-30とか?いや、もっと低いかも。酸度は5~6くらいか。

この手の酒にしては甘みは抑えめで、それよりも酸が立っている印象ですね。

ボディはめっちゃ軽くて甘酸っぱい。ほぼジュース。 ちなみにうすにごり。

実はこの蔵では女性杜氏が作った「PRINCESS TIME SWEET&SOUR」という女性向けの酒があるんですが、それもアルコール度数が7度で精米歩合も59%と同じなんです。

恐らくそれをプロトタイプにしてるんじゃないかな。

そもそもチョコと日本酒は意外に合うけど…

7度という低アル商品なので当然軽いんですが、問題はこのボディの軽さで果たして重たいチョコと合うのか、ということ。

チョコと日本酒を合わせること自体に驚きはないんですよ。

古酒のお燗であれば難なく合わせることができますから。

ただ、今回は低アル、しかも冷やして合わせろとのこと…これは私の経験上、合うとは全く思えない!

チロルチョコ コーヒーヌガーを味見

まあ、チョコもわざわざピンポイントで指定してるんだから、まずはこれを食ってみないと始まらない。

というわけで探しましたよー。近所のコンビニを5軒回ってやっと見つけました。

一口齧ると…硬い!ヌガーが!カッチカチで!噛み切れねえ!

仕方ないので少し口中で温度を上げて溶かしながら味わいます。

うん、比較的甘さは抑えめでふわっとコーヒーがほのかに香る。思ったよりコーヒー感は強くないですね。

うーむ、この時点でも酒との相性についてはかなり懐疑的です。

一応いつものように五味チャートも作ってみましたが、見てください、このごちゃついた感じ。

期待持てないなあ…。

実食!

ごちゃごちゃ考えても仕方ない。とにかく実食しましょう。

チロルチョコを齧って口の中である程度溶かし、わずかに残っている状態で冷えた酒をちびり。

こ、これは…結論から言うと、全然アリです

正直、100点のペアリングではないですが、表現しがたい不思議な魅力があるのも確か。

まず甘い口中が強い酸でリセット、その後ふわっと軽い旨みが再びチョコを引き戻す。

酸の時点では違和感があるんですよ。チグハグというか。

しかし、それが口の中で馴染んでいくにつれて、なぜか美味しく感じられるようになるんです。

コーヒーの風味がうまく媒介してる気もします。

甘いものと日本酒のペアリングは難しい

通常、甘いものとのペアリングの際は酒の甘味がマスキングされて美味しくなくなります。

しかし、これはもともと酸を強めて甘さは控えめにしているためか、甘さが引っ込むこと自体はそれほどマイナスに感じないんですね。

チョコのほうが甘すぎないのもポイントかもしれません。

うーむ、うまく説明できないのがもどかしい。

別のチョコでも試してみる

一緒に買った別のチョコではどうでしょう。

チロルチョコ ミルク

まずは、同じチロルのミルク。

これはダメだ。チョコが甘すぎて酒の甘さを殺してしまう。合いません。

チロルチョコ プレミアムストロベリー

あ、もっと合わない。そもそもホワイトチョコがベースで、カカオ感がないのでバラバラですね。

明治 ブラックチョコレート

これはいける!コーヒーヌガーに匹敵する相性の良さ。

やっぱり甘すぎるとダメなんですね。このくらい程よくビターだと合うんだな。

まとめ

結局、うまく言葉を見つけられないまま試食を繰り返していたら、酒が無くなりました…。

セオリー的には酸味と苦味は相性が悪いとされています。

加えて、酒と食材のボディの強さを合わせることも基本中の基本。

しかし、この酒はそこに真っ向勝負を挑んでいる。

完璧な相性ではないにせよ、ちょっと今までのペアリング理論がひっくり返される恐怖すら感じました。

味の設計をしたのは杜氏さんなのかな?

どういう意図があってこの味にしたのか、ぜひ聞いてみたいところです。

とりあえず、酸が強くてボディが軽い酒はまだ他にもあるので、引き続きこの方向性でのペアリングを探っていきます。

to be continued…

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