日本酒ペアリング実践

パウンドケーキに日本酒?

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今回はパウンドケーキです。

ええ!洋菓子じゃん!そんなの日本酒と合わせられるの!?ていうか、日本酒と合わせる意味あるの?

大丈夫、安心してください。合わせられます。そしてもちろん意味などありません!

ちなみに一番簡単なのはハチミツ燗なんですが、これは飛び道具なので封印して、別のアプローチを試します。

パウンドケーキ

パウンドケーキの「パウンド」ってどういう意味かご存知でしょうか。

実は材料に小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンド(pound)ずつ使って作るからなんです。

なんなら、ポンドケーキでも間違いじゃないってことですね。そんな言い方してる人は多分いませんが。

このへんは余談ですが、フランスではカトル・カール(Quatre-Quarts)といいます。4/4の意味で、これも同様に上述した4つの材料を同量ずつ使うことから。

お菓子の中では比較的簡単に作れますので、機会があればぜひ。

でも、今回は面倒なので市販のものを使います。これ。

ファミマの厚切りパウンドケーキです。4種のドライフルーツ入り。

若干ふわふわすぎて、どしっと重いパウンドを求める人には不向きですが、これはこれで充分美味しい。

パウンドケーキの味

本来であればバターがかなり効いてるのですが、市販品はあっさりしてるものが多いですね。

生ケーキなどのスイーツに比べれば、焼き菓子は比較的甘味が控えめ。

五味チャートにすると塩0甘4酸1.5旨3苦0.5くらいです。

酸味はドライフルーツから。苦味は同じくドライフルーツおよび生地の焼き目から。

スイーツの場合、旨味の捉え方が非常に難しく、肉や魚に見られるようなアミノ酸や乳酸由来ではないので成分的には、ほぼ旨味0とも言えます。

しかし、甘味とバターの脂肪味から感じられるコクを旨味であると解釈することもできますので、ここでは3程度としています。

合わせる日本酒を考える

甘いものと日本酒の取り合わせの難しさは事あるごとに書いています。

その理由は、スイーツが甘すぎて日本酒の甘さがマスキングされることで味気なく感じてしまうため。

このため、最初から甘味に重きを置いていないタイプか、スイーツより甘い酒であれば問題は解消される可能性が高くなるわけです。

なお、パウンドケーキの強度については、ふわふわした食感からもやや低めであると判断。

これが、どっしりしたバターたっぷりのパウンドだったら、もうちょっと高強度になったと思いますけど。

これらを総合した結果、今回は甘味たっぷり、かつどこか軽さも感じさせる貴醸酒を使ってみることにします。

るみ子の酒 おめかし きもと仕込み純米貴醸酒 29BY

るみ子の酒でお馴染み、三重の森喜るみ子さんが醸す一風変わった日本酒です。

ここの蔵の酒は非常に燗上がりするので何かと重宝していますが、こんな変化球な酒も出してるんですね。

貴醸酒とは、仕込み水の代わりに日本酒を使用することで、非常に強い甘みを持つお酒。

しかし、この「おめかし」は、ただの貴醸酒じゃありません。仕込む酒が生酛なんですよ。

それの何がすごいの?と言われると説明が長くなっちゃうんですが、要するに普通の酒に比べて異常に手間暇がかかってるってことです。

そのせいもあってか、味わいはどこか複雑、かつエレガントさも感じさせる仕上がりになっています。

決してベタ甘ではなく、芯のある甘さで酸のアクセントが秀逸。

五味チャート

甘4.2酸2.5旨3苦0。

数値的にはパウンドとほぼ重なりますが、酸が少し目立ってしまうかな?そこだけ邪魔にならないか心配。

実食!

パウンドを一口大にちぎって口に運びます。

バターのふわっとした風味と柔らかい甘さが口に広がり、まさに口福状態。フルーツの軽い酸味もアクセントに。

ここで、おめかしを含むと、一度弱まった口中の甘味が再び息を吹き返し、新鮮な気持ちに。

そのままスムーズな旨味に移行し、口に残るパウンドのバター風味と混然一体となります。

懸念していた酸はドライフルーツの酸と同調し、むしろ正解。

生地そのものはすぐに口の中でほどけますが、ドライフルーツはしばらく残っているので、時間差でやって来た酒の酸を的確にキャッチできるのです。

これ、驚くくらい美味いですわ。

まとめ

いやー、良かった。すげえ美味かった。

貴醸酒とスイーツが合うだろうということは分かっていたし、試している人も多いのであえて実践してこなかったですが、やっぱ普通にペアリングできちゃうんですね。

焼き菓子であればパウンド以外でも問題なく応用できます。フィナンシェとかマドレーヌとかクッキーとかガレットとか。チョコ系はまた少し変わってくるでしょうけど。

次は生クリームをふんだんに使った生系スイーツもチャレンジしたいと思います。

それではまた!

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