大塚の街を歩きながら、極上のつまみと至高の日本酒を堪能しまくる最強のイベント「大塚sake walk」。
今年で二回目の開催ですが、昨年は参加できなかったのでその分も取り返すべくがっつり飲むぞ!と意気込んで降り立ったのは丸の内線新大塚駅。ケーキ屋に惹かれつつも、今日は酒の日なので我慢して受付へ向かいます。
酒味処きの字(受付)
開始時間である11時ちょうどに受付店舗の一つ「きの字」に到着。うわー、早くも店外まで続く受付待ちの行列。 この炎天下にも関わらず、皆さん気合入ってるわ…
受付でイベントオリジナルおちょこと、首から下げる専用のホルダーを受け取りイベントスタート!
ようやく店内に入ると想像以上に人でごった返しています。身動きがかなり取りづらい。主催者発表で400枚の前売りチケット完売(当日券はなし)ということだったので、ある程度の覚悟はしてましたが、それでもスタート地点はどうしても混みますね。
ちなみに、酒を注いでもらうスペースもぎゅうぎゅうで、とてもゆっくり写真を撮れる雰囲気じゃなかったので、ここは諦めました。
では本日最初のおつまみを。「キノコと豚のディップ+アジアンビーフン~レモングラスの香り」。
酒は福島から2蔵。会津錦および会津中将(鶴乃江酒造)。
ビーフンの方はあっさり品が良くて、すっきり辛口の「ゆり(鶴乃江酒造)」とよく合います。 キノコと豚のディップの方もキノコの風味が秋を感じさせる逸品。
会津錦は3種類ありましたが、どれも全然違う個性があって面白い。蔵元さんに「どれが一番会津錦らしい酒ですか?」と聞くと、この「こでらんに」だとのこと。
本醸造の生原酒なんですが、非常に甘く濃醇。この手の酒は久しぶりだけどたまにはいいね。しかし、レベルの高いアル添酒を出す蔵がどんどん増えてきてるなあ。良いことだ。
Smoke Beer Factory 大塚店 NAMACHAん Brewing
きの字を後にしてクラフトビールのお店に移動。なんと、店内で醸造しているとのこと。大塚にブルワリーがあるなんて!
「合鴨の燻製&燻製ポテトサラダ」と二種類の自家製ビール「なまホワイト」「特別なラオホ」を受け取りテーブルへ。ここからは一店舗目ほど混んでおらず、まあまあゆっくりできるようになりました。
「なまホワイト」はオレンジピールとコリアンダーの香りがする爽やかなビール。「特別なラオホ」 はスモークモルトに自家燻製の麦芽を加えたという燻製系黒ビール。どちらも独特な味わい。黒は鴨、白はポテサラと非常に相性が良い。
うーん、うまいわ。ちゃんと店舗ごとに置く酒とおつまみの相性が考えられているのがわかります。早くも二店舗目にしてこのイベントに対する主催の気合いがひしひしと伝わってきました。
ブリキの心&カッチャルバッチャル
お次は今回のコースの北端。ブリキの心で同店およびカッチャルバッチャルがお出迎え。
まずはブリキの心のおつまみから。「タコカラのトマト煮&炒め玉葱の自家製オニオンスープ」 。ここでスープってのが気が利いてるじゃない。自分はこの時点ではまだまだだったけど、飲み疲れた人はちょうどホっとできていいんじゃないかな。
酒は「結ゆい」。茨城の銘醸ですね。甘めな香り系で特に女子は好きだろうな。
今度は店の奥に行ってカッチャルバッチャルのおつまみをいただきます。ここは都内でも人気のエスニック名店。実は私がこのイベントに参加する決め手となったお店なんです。ちょうどスパイスと日本酒の相性を探っているところだったので。
というわけで、期待感たっぷりのところ出されたおつまみがこちら。
「バターチキン&メークインと空芯菜(汁気のないカレー達)」
もうね、素晴らしいの一言ですよ。あまり好きではないパクチーもこのくらいだとちょうどいい量で、まったく問題ない。というか、むしろこれはパクチーがないと成立しない料理ですね。そうか、カレーと言われれば確かにカレーだわ。
で、これが奈良の「大倉本家」の酒と合いまくるわけです。
こちらに出張っていた大倉さんが用意してくれていたのは、当ブログのスパイスカレーやクミンの記事でも取り上げた「山廃特別純米 無濾過火入れ原酒 25BY」と生熟成の「辛口山廃特別純米 備前朝日 直汲み 無濾過生原酒 28BY」、そして濁りの「金鼓 濁酒」の三種。
25BYの火入れ特純山廃とスパイスの相性については上の記事を読んでいただくとして、この生熟成もまた変態で最高。マイルドなフルボディで生熟独特の香りがパクチーと調和します。
濁酒は甘酸っぱくてタイやベトナム料理なんかと非常に合いそう。当然ながら今回のおつまみとも好相性で、濁りがスパイスをまろやかにしてくれます。濁り系とエスニック料理はテッパンですな。
29 Rotie & 手打ちそば菊谷
RYOZAN PARK大塚というコワーキング&イベントスペースの屋上へ移動。ここがまたすごい人で、さらにクソ暑い!!炎天下の中を歩き回っているだけですでに汗だくなんですが、この屋上はレベルが違う。酒をサーブする蔵元のお姉さんなんか完全に滝汗状態。熱中症になりませんように…
おつまみは29Rotieの「生ハム2種」と手打そば菊谷の「チーズかえし漬+わさび味噌」。うーむ、めちゃめちゃ美味いっすわ。どれも塩気が強くて日本酒と合いまくる、まさにザ・酒のアテ。 期せずして、この暑さに対して塩化ナトリウムの摂取ができたのは主催者側の粋な計らいだったのか?
お酒は福島の天明と栃木の四季桜。炎天下なのに、どちらも燗向けの酒が特に美味いというこの皮肉よ。ああもう燗で飲みましたよ!こうなりゃヤケクソだ。
と思ったら、案外暑い中の燗って心地良いんですね。なんつうか、相対的に外気が涼しく感じるというか、気持ちの良い汗をかける感じ。なんだこれ。
バール青ィ印
途中、天祖神社に寄ってみたんですが、食い込み気味のビキニパンツ+ニーハイという出で立ちの珍種のおじさんが賽銭箱の前で手を合わせており、軽く頭が混乱しました。とりあえず、あれは夏の妖精だったということにして次へ急ぎます。
気を取り直してやってきたのは「バール青ィ印」。創作イタリアンと日本酒を飲ませるお店ということで、以前から気になってたんですよ。
おつまみは「唐揚げの マッシュポテトとトマトバジルの味噌焼き/若鷄の南蛮漬け有機野菜ソース」。崩れちゃった上に写真の技術がクソなので全然美味そうに見えませんが、ひとえに泥酔している私の責任です。ちゃんと美味しかったです。
お酒のほうは長野の笑亀。非常にチャレンジングな造りをする蔵なんですが、完成度もしっかり備えているあたりが素晴らしい。中でも、この貫魂は濃醇でバランスがよく個人的お気に入り。ちょうど揚げ物と良いマッチング。
地酒屋こだま
いつもお世話になっている児玉さんのところに。
隔週営業の「ちょこだま」でも料理を担当するちょびん氏が作るおつまみがこちら。
「合鴨のコンフィ~ブルーベリーソースがけonチーズ豆腐&塩豚と真鯖のオイル漬け」。ちょっとこれ凝り過ぎでしょ。
酒は愛知の「楽の世」 山廃本醸造 無濾過生原酒 と 山廃純米 無濾過生原酒 。地酒屋こだまでも今年から取り扱いが始まったばかりですが、二種類とも濃醇でがっつりフルボディ。うめー。これ、生だけど絶対熟成で化けるやつだわ。
どちらもキャラクターは似てますが、特に本醸造のほうがブルーベリーと相性がいいですね。フルーツは通常フルーティ系のフレッシュな酒とは合うものの、どしっとした熟成系・燗上がり系とは酸の性質が合わずイマイチなんです。ところがコンフィやコンポートとして火を通すことでこっち系の酒とぐっと近づくことがよくわかりました。
地酒やもっと
さあ、いよいよ最後の店舗。地酒やもっとに到着。こちらのおつまみは「ラムつくね炊き~木の子と蕗の薹バター餡掛け/長芋とあらめ梅煮のポテサラ」
これまた手が込んでますねえ。最近羊肉が好きなのでラムつくねはツボでした。
ただ、残念ながら、このあたりから記憶がまだらで飛びはじめてます。おつまみも美味いと思ったのは間違いないんだけど、ディテールを全然思い出せない。
お酒は篠峯と独楽蔵。
篠峯、大ファンなんですよ。ずっと会いたかった堺杜氏ともお話しできて嬉しかったな。やっぱり櫛羅は美味い。しかしvert熟成の記憶がない。このスペックなら絶対に喜々として飲んでるはずなんだけど…
独楽蔵は熟成酒が有名ですよね。これまでも何度か飲んでますが、今回飲んだのが一番うまかった印象。結局濃醇な火入れ熟成系が一番好きなんですよ。
二周目からの記憶がない
で、このあと二周目に突入したはずですが、記憶が途切れておりどこに行ったのか全然覚えていません…。
同行者によるとブリキの心に戻り、カッチャルバッチャルの追加メニュー(有料)であるマトンの何とかを食った後、スタート地点のきの字でも追加メニューを二品くらい食ったらしいです。まじか…全く記憶がない…。
ただ、終了時16時に参加者の皆で拍手して締めたのは何とな~く覚えてます。
まとめ
とにかく楽しい5時間で、あっという間に終了時間がやってきた印象。
10蔵30種類ほどの酒が飲めたんですが、許容量の問題もあって全種類は制覇できず。よく知ってる酒はパスしたものの、それでも多分26種類くらいは飲んでまして、1種類40mlとして合計で1000ml以上は飲んでるんですよね。
oh…6合弱…大量に水を飲みながら5時間かけてゆっくり摂取したとはいえ、まあよく飲んだもんだな。そりゃ後半の記憶も飛ぶわ。
最初のうちは、いちいち酒と料理のメモを取っていたんですが、酔いが回るにつれてどんどん面倒になり後半になるほどレポートも適当になってしまいました。途中からはメモも「おいしい」としか書いておらずほとんど意味をなさないこの体たらく。バカなのか。
あと、おつまみも何が入っているのか、どういう料理なのかを意識せず、ただ漫然と口に放り込んでしまったのは大きな反省点ですね。せっかくペアリングをいろいろと学べる機会だったのに、とてももったいないことをしたなあ。
地酒やもっとさんみたいに、料理の名前を書いた紙が貼ってあると、ちゃんと意識して味わえると思います。さらに料理の簡単な説明もあったら最高。参加店舗の皆さま、来年はぜひご検討お願いします!
また、飲み食いはもちろんですが、参加者同士の何気ないライトな会話を楽しめるのも大きな魅力であると感じました。同じ緑のホルダーをつけている人に対して妙な仲間意識が生まれるんですよね。酔いも手伝って、知らない人でも気軽に話しかけることができますし。
でも、そこからは変に深入りせず、めいめい行きたいコースに散っていく。こういう一期一会のふわっとした感じ、好きだなあ。
来年も多分開催されると思われますが、年々人気が高まっていくのは間違いないので、前売りが始まったら即ゲットするのが吉ですね。
もう今から楽しみにしています。それではまた!