秋も深まってくると新酒が出回り始めます。
フレッシュな味わいの新酒には、どんなつまみを合わせればさらに美味しくいただけるのか、考えてみたいと思います。
新酒の定義
新酒と言っても、明確な定義はなく、人によって微妙に認識が違ったりします。
ざっくり言うと、できてから時間が経っていない新しい日本酒のこと。
大まかには以下の解釈が存在します。
・最新の酒造年度内に造られて出荷された日本酒
・酒造年度内に収穫した米で一番最初に造られた日本酒(=初しぼり)
・11月~3月に発売される貯蔵を経ていない日本酒
とりあえず、ここで細かい定義について考えてるとややこしいので、単純化して「新酒・しぼりたて=冬に発売される、製造から時間が経っていない日本酒」として話を進めます。
新酒・しぼりたての味わい
つまみを考える前に、新酒・しぼりたての味わいについて確認しておきましょう。
思いつく限りイメージを列挙してみます。
フレッシュ・爽やか・軽いうま味・ほのかな苦み・硬い・若い・まとまりがない・(華やか・微発泡)
甘味・酸味
こんなところでしょうか。
爽酒または薫酒に属するものが大半ですね。
合わせるつまみのポイント
さて、そんなお酒に合うつまみはどんなものでしょうか。
基本的には爽酒なのでボリュームが軽く・シンプルな味付けなものが合います。
また、ほんのり苦味があるので生野菜は好相性ですね。香りのあるタイプでしたらフルーツを使った料理もおすすめ。
その場合、チーズやオリーブオイルを併用すると、まとまりが出てより日本酒との馴染みが良くなりますよ。
簡単つまみレシピ
そんなわけで、新酒に合う簡単なつまみを4つほどご紹介します。
イチゴのカプレーゼ
1.モッツアレラを一口大に切る
2.モッツアレラに気持ち多めに塩を振る
3.イチゴを半分~1/4に切る(ボッコンチーニと同サイズくらい)
4.オリーブオイル、塩コショウ、バルサミコをかける
狙い
イチゴのフレッシュ感と酸味、および強い香りが新酒に合うはず!と考えるも、単体ではイチゴが強すぎる、というわけでモッツアレラとオリーブオイルで酸を緩和しつつ全体をまとめ、バルサミコ酢で整えるといった感じ。
鯖の梅和え
1.梅干し2個を叩く
2.鯖水煮缶を開けて汁を切る
3.軽くほぐし梅干しと混ぜる
4.大葉の千切りと白ごまを散らす
狙い
新酒とは言え、少し厚みのある酒もある可能性を考慮して、うま味の強い鯖水煮缶を使用。
ただし、そのままでは魚臭くてフルーティな酒には合わないので、梅干しと大葉を加えることで酸と清涼感を付与しつつ臭みを消します。
カイワレとちくわのワサビマヨ和え
1.カイワレとちくわを切る
2.器にマヨネーズ大1とワサビ小1/2を入れて混ぜる
3.ちくわをぶち込む
4.カイワレをぶち込む
※お好みでポン酢しょうゆを少量かける
狙い
ポイントはカイワレの苦味。これが新酒の苦味とリンクします。
竹輪はうま味とボリュームを出すためですね。わさびマヨは困ったときのお助けアイテムみたいなもんで、だいたこれで和えときゃ美味いよね、という安直な発想ですが、やっぱり美味かった。
タコとキウイのマリネ
1.タコとキウイを一口大に切る
2.レモン汁とオリーブオイルを加えてざっくり和える
3.塩コショウで味を整え、バジルなどを飾る
狙い
キウイの爽やかさが新酒にぴったり。タコも癖がなく淡白な食材なので、酒とぶつかることなく馴染んでくれます。
その他のつまみ
この他には、春の山菜(タラの芽、タケノコ、ワラビ、ふき、ふきのとう、つくしなど)、ちょっと苦味のある野菜(春菊、芽キャベツ、ピーマン、ゴーヤなど)。
いずれもシンプルにお浸しなんかがいいですね。
あとはシンプルな味わいに酸味の効いた味付けの料理(ふぐ刺し、わけぎとアサリのぬた、ウドの酢味噌和え、鰯の酢締めなど)。
まとめ
まとめると、
・フレッシュな酒にはフレッシュな味わいの食材を(フルーツなど)
・ややほろ苦い食材を使おう
・シンプルであっさりした味付けにしよう
・酸味があると合わせやすい
こんなところでしょうか。
秋から冬にかけての皆様の新酒ライフが充実したものになりますように。それではまた!