ハズレは紹介しません。特に気になったものには★がついています。
玉川 TimeMachine Vintage 2013BYめっちゃ熟香 甘みかなり強め ひたすら熟成感。ほとんどブランデーだなこれ。質感が似てる豚のリエットのサンドイッチと好相性。料理の味がもう少し濃いほうが良かったかも。
諏訪泉 山廃純米酒 H27BY
諏訪泉の3種飲み比べ。まずは3年熟成の山廃。まろやかなアタック、程よい加水感。熟味はそこそこ強めだが、燗をすると混然一体となり良い感じ。この手の燗上がり系にしては濃すぎず酸もあってどこか軽快さも感じさせるため、がっつり肉などと合わせるよりは、少し味の濃い煮物や味噌系の食べ物と合う気がする。3種の中では一番飲みやすいかな。
諏訪泉 阿波山田錦 H20BY
10年熟成だが、そこまで激しくチョコ焦げ感はない。常温だと上品な甘みがある。旨みも広がり過ぎずバランス良い。ぬる燗で厚みのある酸が目立つようになるが、これはこれで。ここに若干加水することで一気に柔らかくなり甘みが前に出て酸は引っ込む。面白いなあ。
諏訪泉 満天星 H24BY
6年熟成。今回の飲み比べ3種の中では最も濃い。当然のごとく熟香は強い。それなりに苦味もあるが、この世界観の中ではむしろアドバンテージ。燗にしてもそこまで変化はないが当然まとまりは増す。
権座 純米吟醸酒
喜楽長の蔵。渡船使用。ほのかにフローラル。甘み強い。酸もあるが前には出てこない。甘みがシームレスに旨みにつながり最後まで続く。なかなか。
梅乃宿 純米吟醸 辛
言うほど辛くはない。立ち香はほとんどない。甘みは弱く酸が立っている。旨みも出すぎず上品。キレ良い。やはり梅乃宿は造りが上手い。
阿部勘 葡萄酒酵母デ醸ス 純米吟醸
ワイン酵母のチャレンジ系。立ち香弱い。ぽったりした甘みと酸。ややスモーキーなあたりがワイン酵母由来なのかな。いわゆる甘酸系だが濃すぎず良いバランス。熟成のまろやかさも。
英君 純米吟醸 無濾過生原酒 27BY ★約2年半の生熟成。立ち香は英君独特の良い意味での老ね感を含むもの。文章表現が難しいが、静岡酵母系のフルーティさも。ややエッジのある甘み、酸強め。含みでも英君らしい癖が。アフターに軽いが厚みのある苦味。熟味らしい熟味は感じないが軽い生老ね香と相まって複雑で深みのある味わいに。面白い。
磐城壽アカガネ 27BY
山廃。某dancyuで魚に合う酒NO.1として紹介されてたな。確かに魚に合うが、二年熟成の雄町ってこともあり思いのほか甘みと丸みがあるので、あたりめみたいな割と旨みのしっかりしたアテが最適かも。さて、立ち香はやや酸を予想させるもの。軽くフルーティな含み香から上品な甘み。旨みへの流れもスムーズで品が良い。酸は弱めでオールド山廃っぽさはない。後口の複雑さが山廃を感じさせる。若干アルコール感が邪魔。燗では非常に口当たりが丸くなり、甘みがチャーミングかつ親しみやすくなる。旨みの出方も上品だが、ごく弱い渋みがあるか。開栓から2日、若干丸みを帯びてきた。ラストの渋みはほとんど気にならない程度に。
長生舞 特別純米 カップ
柔らかくバニラリーな立ち香。甘みはそこそこ強く厚みがある。旨みもしっかりだが流れはスムーズ。酸は目立たないが、しっかり仕事をして全体の厚みに寄与している。
安芸虎 純米カップ★
ややバニラリーな立ち香。甘み弱く酸が厚くて強め。思いのほかスッキリしている。旨みも軽いのですいすい飲めてしまう。燗にするとバニラっぽさが増して酸が引っ込み角が取れるがラストでほんのり渋みが顔を出す。まあ、それはそれで悪くない。ぬる燗に大根と鶏肉の煮物を合わせたがかなり良いマリアージュが発現した。
米宗 純米吟醸
出羽燦々。常温1年熟成。ほんのり熟成も感じる立ち香。含むといきなり甘い。ただ、嫌味な感じではない。熟成由来と思われる若干癖のある旨みを酸が裏から支える。燗にすると甘みがより主役として映えるようになる。これもやはり少し甘みのある煮物との相性がいい。
竹鶴 純米にごり
甘さはほとんど無い。濁りらしいもったり感にエキスな旨み。なぜか異常にキレが良い。後口の軽い苦味は肉に合う。酒単体ではあまり面白くないが、もつ焼きのレバーのとろみと合わせたら濃度がぴったりで良いペアリングだった。
天吹 純米大吟醸 Natural Born 極
わかりやすく華やかな立ち香。甘みほどほどで含み香もわかりやすくフルーティー。酸が強めでダレないのでバランスは良い。ありがちな純米大吟醸ではあるが、クオリティはそれなりに。
みむろ杉 純米大吟醸 火入れ
山田錦。大吟醸にしては案外立ち香が弱い。丸くて柔らかい甘み。フルーティな含み香。酸はゆっくり動くが上品。端正というか非常に整った印象。やはり個人的には火入れのほうが落ち着いて飲めるから好みだな。
ひこ孫 純米吟醸 ★日本酒初心者のころに飲んで以来なので一体何年ぶりになるだろう。当時はまだまだ味がわからなかったが、今飲んだらどう感じるか。
レギュラーの神亀に比べると磨いてある分、当然香りも華やかさをまとっているが、それでもやはり燗推奨であることは揺るぎない。腰は強いが意外に清涼感やふんわりした印象もあり、ゴツくて骨太一辺倒とも異なる風情が素晴らしい。
で、これが牛肉とやたら合うのが謎なんですけど…。そこまではボリュームない酒なのになんでだろう。ちょっと深く掘り下げる必要がありますな。
倭姫 純米大吟醸 うすにごり 無濾過生原酒
豊穣感謝祭とかいってどっかがマーケティングしかけ始めてるみたい。立春朝絞りとかまでは浸透しなさそう。これは春鹿の蔵ですね。注ぐと薄濁りというほどは濁ってない。甘み弱め、ややエキスな旨みで辛めだがギリギリのところでバランスは保ってる。キレ良い。そこまで香らないので案外食中酒としてもいける。
獅子吼 純米大吟醸 うすにごり 無濾過生原酒
これも豊穣感謝祭もの。金沢酵母らしくカプロンが結構香る。甘みはさっぱりで酸が良く出てる。ミネラル強めでスッキリ。弱いガスも。
北島 純米 直汲み 無濾過生 みずかがみ
カプロン強め。甘酸系だが意外にエキスの旨みもあって辛め。もっちり太い。
紀伊国屋文左衛門 純米 冬の熟成酒
5月に火入れしたのを半年間蔵内熟成ってひやおろしとどう違うのかよくわからないですが、まあ細かいことはいいか。香りはそこそこ。甘み強めでまろやか。とろみあり。酸も目立たないが、しっかりある。旨みがゆっくりたなびく。ほんの少しの苦味が深みを演出する。良いですね。
梅乃宿 純米吟醸 with Gibier ★
高島雄町使用の生もとで1年間蔵内熟成した、ジビエをはじめとした肉料理用に設計したという一本。
香りは穏やかで思いのほか甘味が強く、アタックはかなりまろやか。果たしてこれがジビエとどのような相性を見せるのか今ひとつ想像できなかったが、ラムチョップの香草(ローズマリー)焼きと合わせたらこれが抜群のマリアージュ!
甘味と肉の旨味がこれほど調和するとは。酸が強めなのもあって脂を上手く切ってくれる。ローズマリーの香りと日本酒のフレーバーがぶつかることもなく、ラムの臭み消しにフォーカスした仕事をしてくれている。
これはちょっとヤバいな。同じ系統でいくつか試して記事にしないと。