このサイトではお馴染みのリーズナブルで濃い酒代表、剣菱ですが、なんとオレンジピールとも相性がいいのです。
というか、わざわざそんな変な組み合わせやる意味ある?と思うでしょ。それがあるんです。
定期的にわざわざ両者を買って合わせたくなるほどの美味しさなんだもの。
オレンジピール
案外馴染みのない人もいるかもしれないので、一応説明すると、オレンジの皮を砂糖で煮込んだお菓子です。オレンジに限らず、柚子や甘夏、伊予柑、レモンなど様々な柑橘類で作られます。
最近はコンビニなどでも売っているので、手軽に入手できますね。
ちなみにこちらはファミリーマートで買った日向夏のピールです。
味わいと五味チャート
塩0 甘3.5 酸2.5 旨0 苦1.2
甘酸っぱく、少し苦い。この苦味が日本酒と合わせる際のポイントになります。
コーヒー燗
で、今回はお燗にコーヒーを少し垂らすコーヒー燗にして合わせます。
理屈は後回し、とにかくコーヒーを足すと足さないとじゃ全然ペアリングの完成度が変わるのです!
なお、剣菱は常温でも悪くないですが、燗にすることで口内で砂糖が溶けて一体感がアップします。また、味にふくらみが出るため強度がオレンジピールにより近くなります。
分析
まずはオレンジピールと剣菱コーヒー燗の五味チャートを重ねてみましょう。
剣菱コーヒー燗は甘3 酸2 旨3.5 苦1.0です。
五味はなかなか同調しているのがお分かりでしょうか。
オレンジピールの甘味が強い分、酒の甘みが若干削がれてすっきりと感じられるのですが、それで物足りなくなるほどではないので問題はありません。
甘味と旨味の数値が同等なため、ここでバランスが取れています。ほんのり酸のアクセントがありつつ、甘くて旨い。これがこのペアリングの基調になります。
そして何と言っても苦味。コーヒーを足さない剣菱の苦味は数値化するならば0.2~0.5程度。そのままでも合わなくはないですが、コーヒーの苦味が少し足されることで完全に同調します。
もう一つ、コーヒーの香りも重要ですね。少し焦げたような匂いとほんのりフルーティなニュアンスが酒に足されます。
これがなぜかオレンジの香りと相性がいいんです。詳しい科学的な理由はわかりませんが、オレンジジュースとコーヒーを合わせる飲み方もあるようですし、感覚的に合うのは間違いありません。
まとめ
結局、分かったような分からないような。
味わい(五味)に関しては調和がとれているので、その部分で同調するのは確実。
香りの相性に未解明なところが多いんですよね。まあでも、合うんだから仕方ない。
とにかく、騙されたと思って一度試してみてください。
新しい世界が広がること請け合いです。
それではまた!