日本酒ペアリング実践

松本日出彦氏の武者修行酒(花の香編)

分かる人には分かる、この名前。

昨年末のお家騒動で松本酒造を去った松本日出彦氏ですが、実は現在ゆかりのある全国の酒蔵の手伝いをしながら武者修行をしているのです。

その中から生まれた、いわゆるコラボ酒が入手できたのでレビューします。

何があった?

松本日出彦さんは京都の松本酒造で「澤屋まつもと 守破離」に代表される素晴らしい酒を造っており人気・実力ともにトップクラスの方。

それが、昨年末にお家騒動がありまして、遠戚の大株主に会社を乗っ取られてしまい、社長であった父上が更迭。それに納得いかない日出彦さんは松本酒造をやめてしまったんです。実家なのに。

そのあたりの経緯についてはこちらにも書いていますので、ご参考まで。

お家騒動のその後

その後、しばらく音沙汰なかったんですが、ゆかりのある全国の酒造、七本槍、花の香、田中六五、新政、仙禽で仕込みを手伝いながら武者修行をしているというニュースが!

こんなドラマティックな話、日本酒の世界じゃあまりないですよ。

詳しくはONESTORYさんにまとめられていますので、興味のある方はご一読を。

花の香 × 松本日出彦 別誂 Ubusuna

で、その中で生まれたコラボ酒が春から順次リリースされているんだけど、試験醸造みたいなもんだからとにかく本数が少ない。

なので、非常に入手困難なんだけど、馴染みの酒屋が俺のために取り置きしてくれたんです。いやもう感謝感激の嵐ですよ。

これは武者修行シリーズの第二弾で熊本の花の香で醸造したもの。細かいスペックは非公開ながらアルコール度数は13度とかなりの低アル仕様。酵母は熊本酵母(9号)です。

微発泡で甘さは控えめ、旨味は広がりすぎずモダンな味わい。

言うなれば、9号らしい柔らかいフローラルな香りの花の香とソリッドなボディの守破離の邂逅。

合わせるつまみを考える

味わいが軽いので、味の濃い料理はダメかな。

ここはシンプルに板わさにしましょう。

しかし、ただの板わさじゃつまらないので、数滴醤油を垂らした塩漬けオリーブのみじん切りを添えてみました。

このアイデアは、こちらの本から。

わさびがないから、もはや板「わさ」ではないけど。

実食!

カマボコにオリーブを乗っけていただきます。

噛んでいるとオリーブのほのかな油分でまろやかに。

ベースになるカマボコにクセがないから、どんな食材も受け止めますね。

ここに、低アルでライトかつ締まりのある今回の酒が合わないわけがない。

少しワサビをつけてもいい感じでした。

まとめ

今回は分析らしい分析はしませんでした。

酒を味見して、パッと勘で合わせる。

もちろん、味の濃淡を合わせるセオリーは守った上ですけど、カマボコのように定番で日本酒に合うとされている食材はやはり間違いないですね。

それだけにペアリングの新奇性や面白みはないですが、まあ面白かろうが、面白くなかろうが「合う」という結果がすべてですからね。

ではまた!