日本ソムリエ協会(以下J.S.A.)のホームページで2019年度のSAKE DIPLOMAの受験者数と合格者数が発表されていました。
⇒資格保有者一覧(PDF)
これによると、2019年度の合格率はなんと35.3%!
2018年度が38.1%、初回である2017年度が41.5%だったので、年々下がってますね。
いやー、我ながらよく受かったもんだ。
一次試験の難しさ
すでに各所でも言われていますが、一次試験のマニアックさは半端ないです。重箱の隅つつきまくりの嫌らしい問題が多数出題されます。
これはCBT試験の弊害とも言えるもので、全国の多数の会場においてバラバラの日程で試験を行うわけですから、当然膨大な量の問題数が必要になるわけです。
その結果、本質から外れた変な問題が目白押しになるという。大学受験で日本史の教科書の欄外まで覚えさせられたのを思い出します。
まあ、全くの無駄知識とも思いませんが、自分の場合は記憶力がカスカスなので試験のために覚えても1か月もしたら確実に忘れます。
今後の展望
ワイン系資格の合格率は低下傾向
人によっては、J.S.A.だってビジネスとして儲けなきゃいけないんだから、あんまり厳しくして資格者数を減らすことはしないだろう、という見方もあります。
しかし、私はむしろさらに厳しくなっていく可能性もあると考えています。
さきほどの一覧表にはワイン関係の資格についても合格率が載っているわけですが、それを見ると一番手軽なワインエキスパートを除いて、合格率はおおよそ低下傾向にあります。
最上位のソムリエエクセレンスに至っては8.2%ですよ。どんだけ狭き門なんだと。
唎酒師との差別化
SAKE DIPLOMAについても、恐らくは唎酒師との差別化のために、より合格率が下がっていくのではないでしょうか。
唎酒師はどんどん合格させて資格保有者(=会員)を増やし、彼らから継続的に年会費をいただくビジネスモデルです。(もちろん、受験料や認定料も結構な額ですが)。
それと同じことをやっても競合するだけであまり意味がありません。
ですから、DIPLOMAには「より難易度が高いため、保有者はそれなりの格がある」という付加価値をもたせて、どちらかと言えば年会費ではなく受験者を増やすことで主に受験料から収益を得ようとしているのではないでしょうか。
唎酒師は資格保持のためにSSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)への入会が必須なのに対して、SAKE DIPLOMAの場合、J.S.A.への入会は任意であることからも窺い知ることができます。
合格のための正答率
そこで気になるのは、足切りライン。
問題の難易度自体は変わらないと思いますので、あとはどれだけの正答率が求められるのか。正直いってそれはわかりません。J.S.A.がどう考えるかですから。
ただ、この推測が当たっているとすれば、受験者数が増えても合格者数はそれほど増やさないはず。つまり、合格率としては横並びか、さらに低くなっていく、と考えられます。
まとめ
そんなわけで、今後SAKE DIPLOMAはより合格率が下がり、厳しい資格になっていくことと思われます。
突破するためには、それ相応の勉強が必要になりますが、同時にSAKE DIPLOMAという資格の価値を上げていく活動も必要になるんだろうなと感じました。
それではまた!
※追記
2020年度は44.2%と過去最高の合格率となっています。
予想外れちゃいましたね(汗)
まあ、コロナ禍でもあったので、次年度以降どうなるか、様子を見守っていきましょう。