日本酒ペアリング実践

ワタリガニのアヒージョと不老泉

鍋の出汁用のワタリガニが安かったのでアヒージョにしてみました。

アヒージョの作り方

オリーブオイルを煮たてて、唐辛子少々と多めのニンニクを投入。

ワタリガニとその他具材(今回はマイタケ)をぶち込んで火を通したら、最後に塩コショウで味を整えます。

これだけです。超簡単。

アヒージョに合う酒

アヒージョは過去二回ほど題材として取り上げています。

初回は油を流すさっぱり系の酒、二回目は旨味の強さにフォーカスして濃いめの酒を合わせました。

今回は油を生かす、というか油を味わう方向で考えたいと思います。

そもそもアヒージョって具よりも、具材の香りが移った油が主役の料理ですからね。

さて、その油の味わいをオノマトペで表現するなら「ふんわり」「とろり」「じんわり」とかでしょうか。

要は口当たりが柔らかく、適度なコクと旨味を内包しているんです。

これに合わせる酒は、同じくふんわりしており、旨味が強すぎない酒になります。

不老泉 上撰

まさにうってつけなのがこれ。滋賀の不老泉。

アルコール添加ならではの軽やかさと柔らかい飲み口が特徴。

そう、これ普通酒なんです。純米だけが日本酒じゃありませんよ!特にペアリングにおいては軽さを活かせるので普通酒や本醸造酒も大事な選択肢になります。

実はこの酒、SAKE Streetさんで書かせてもらってる記事でも頻繁に登場します。

蟹(ズワイガニ・タラバガニ)に合う日本酒5選【カニカマにも】 – SAKE Street Store

とにかく魚介との相性が良いんです。タラバガニ、ズワイガニとも抜群だったので、まあワタリガニに合わない理由がないよねってことで登場していただきました。

上記の蟹のペアリング記事も面白いのでぜひご一読を。

実食&分析

おもむろに蟹の脇腹をガブリ。口の中にニンニクの風味が移った油が染みだします。

ここにぬる燗にした不老泉を投入。

柔らかいテクスチャーが同調しつつ、甘味が補完されていきます。

これはめちゃくちゃ合いますね。ヤバーい。うまーい(語彙力)。

五味チャート

では五味チャートを見てみましょう。

アヒージョの方は見ていただいたら分かる通り、ほぼ塩味と旨味だけで成り立ってますね。

そこに不老泉の優しい甘みが加わります。こういうチャートの場合、下手すると甘味だけ浮いちゃったりするんですが、どっこい今回はアヒージョ、つまり油メインなのでその心配は全くなし。

油と甘味は相性がいいんです。驚くくらいスムーズに馴染むんです。

これは旨みの部分が同調していることで、ペアリングの土台がしっかりできているからなんですよ。

全体の強度も調和してますしね。

まとめ

今回は久々にホームラン級のペアリング、いやマリアージュができました。

この不老泉、SAKE Streetさんの記事ではタラバよりズワイガニとの相性のほうがいいと書きましたが、磯臭いほうがむしろ合うんですね。

ワタリガニもズワイ同様に磯臭いので、ここでもぴったり合ったものと思われます。

それほどレアな食材ではないので、スーパーなどで見つけたらぜひやってみてください。

それではまた!

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