コラム

知識不要!飲食店のための効率的な日本酒の選び方

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前回の続きです。

日本酒選びの本質

本質的なことを言えば、とにかくたくさんの種類を飲んで自らの知見を積み上げていくのが一番です。

もっと言うと、失敗やハズレに当たることこそが大事なんです。それがないと、日本酒の本当の意味での幅の広さは理解できません。

とはいえ、それを言ったら身も蓋もないわけで、それをやってる暇がないからこの記事を見てるんだよ!というツッコミが各所から聞こえてきそうです。

そう、飲食店を経営してる方々は皆さん実に忙しい。本当に頭が下がります。なかなか勉強する暇も取れないと思いますので、日本酒選び一つをとっても、いかに効率化できるかは最重要課題と言えるでしょう。

キュレーターを見つける

というわけで少々もったいつけましたが、ようやく本題。

膨大な種類の日本酒の中から自分の店に置くべき1本をどうやって探すべきか。

もっとも簡単で効率的な方法は自分に合う「キュレーター」を見つけることです。

キュレーターとは、すなわち情報通・事情通ですね。この手の人が薦める酒は、趣味の違いこそあれ、総じてレベルの高いものになります。

要はキュレーターにお願いして自分の代わりに良い酒を探してもらうイメージです。

キュレーターを見つけたら、あとは簡単。

その人が薦める酒を片っ端から試すだけ(それでも結構な数になると思いますが、そのくらいはがんばりましょう)。

一見、ズルい方法のような気がするかもしれませんが、まずは知識のある人に頼るのがなんだかんだ言ってもゴールまでの最短コースなのです。

最初は人に頼っていても、そのうち自分でも選べるくらいに自然と知識がついてきますので、そんなに頑張らなくても大丈夫です。

では、そのキュレーターはどうやって探すのか。

1.信頼できる地酒屋を探す

その道のプロ①。

なるべく趣味丸出しの個人店がいいです。はせがわ酒店さんや君嶋屋さんのような大きな店になってしまうと、ある程度幅をもったラインナップになるので、このやり方には不向きです。

買いたい酒が決まっている場合や、飲んだことのない酒をランダムに漁るときなんかは実に素晴らしいお店なんですけどね。

その点、趣味丸出し店ですと、どの酒も比較的似た傾向になりますので自分の好みと合致すれば何も考えずにそのままお任せできます。お店の人に自分の好みを伝えて何種類か見繕ってもらいましょう。

2.信頼できる飲み屋を探す

その道のプロ②。

これも同じく趣味丸出しの個人店がいいですね。考え方は地酒屋と全く同じです。

飲み屋の場合は、わざわざ一本買わずとも試飲感覚でいろいろと試せますからリーズナブル。

3.信頼できるブロガーを探す

こちらはプロではありませんが、下手するとそこらのプロ顔負けの知識と経験をもった人も少なくありません。

その人の趣味と傾向さえつかめれば強力な手助けになります。

ただ、その人が記事で紹介した酒が簡単に入手できるとは限らないのが玉に瑕。ブログのコメント欄やSNSなどで仲良くなれれば、そこで好みを伝えてお薦めしてもらえることも。

4.プロのコーディネーターを探す

はい、私です。一時的にお金はかかりますが、明らかに時間と手間は短縮できますし、長い目で見れば一番リーズナブルですし、個別のケースにあわせて親身に相談に乗りますので激オススメです!

銘柄を絞る

キュレーターを見つけて、ある程度味見をしたら、いくつか自分のアンテナに引っかかる酒が出てきたんじゃないでしょうか。

とりあえず、この段階では細かいスペック(磨きとか造りとか酵母とか)は置いといて銘柄に注目しましょう。

銘柄は音楽で言ったらアーティスト名です。気になる曲を見つけたら、そのアーティストの別の曲も聞いてみますよね?

そしたら別の曲も大抵は好みだったりしませんか?(もちろん例外もありますが)。つまりはそういうことです。

日本酒も銘柄によって味の傾向は比較的似通ってくるので、とりあえずは気になった酒の銘柄名を覚えてしまいましょう。

最初は定番酒から

好きな銘柄を挙げられるようになりましたか?

次はスペックやら造りやら、細かい部分の差を見ていく…と言いたいところですが、これはよほどその銘柄に惚れ込むか、ご自分の興味が向いたら、でいいと思います。

まずはその銘柄のレギュラーで通年販売しているものを選びましょう。

前回書いたように、一つの銘柄でも様々な種類がありますし、時期によって入手できるものとそうでないものがありますから。

ここで、レアな限定酒などに手を出して、うっかり気に入ってしまうとそれ以降安定してお店で提供できなくなってしまいます。

その時だけの限定としてお出ししてもいいんですけど、無くなったら、また新たに探す手間がかかります。ですから、まずは自店にとっての定番酒を見つけることが先決なのです。

あとは、その定番酒が自店の料理に合うかどうか、そこを見極めるだけです。まあ、銘柄を選ぶ段階でそのあたりも想定していると思うので、ここは案外すんなりとクリアできるかもしれませんね。

巷で教えてくれる日本酒の選び方とはちょっと切り口を変えてみましたが、参考になりましたでしょうか。

今日のまとめ・無理にがんばらず詳しい人に頼るのが効率的
・とにかく好きな銘柄名くらいは覚えましょう
・最初は限定酒ではなく定番酒から

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