澤屋まつもとの変わり種。雄町・愛山・山田錦をブレンドして醸したそうな。
根性とかけたネーミングとグーパンチのイラストが印象的。
なお、混醸とは、同一タンクで複数の品種を一緒に醸造する方法で、あとから原酒をブレンドするのとは違います。
スペック
原料米:雄町39% 愛山37% 山田錦23%
アルコール分:14度
精米歩合:非公開(ネットでは39%という情報もありますが、恐らく間違い。少なくとも飲んだ限りではそこまでは磨いている感じはありません。)
インプレッション
そこそこフルーティで存在感はあるが華美ではない立ち香。
微発泡。甘みは控えめでバランスの良い酸。
守破離シリーズにしては案外旨みが強い。
余韻は短く、キレが良い。
シャープで芯のある守破離らしさはしっかりと持ちつつ、この酒ならではの不思議な個性も感じさせる。
総じて守破離はレベルが高いが、あえて言わせてもらうと、no titleなどすごいときの守破離はこんなもんじゃない。まあ、良く言えばカジュアルなんだけど。
五味チャート
甘2 酸2 旨3 苦0.5
全体的にシャープですが、五味の中では旨味が比較的目立つかな。
飲用温度
常温以上だとやや輪郭がぼやけてくるので、ここは冷酒がベスト。燗は燗で悪くないけどね。
合わせるつまみ
フルーティ系と言うほど派手ではないんだけど、やはりこの香りは活かしたい。
そこで、フルーツを使った1分つまみを。
リンゴとクリームチーズのカナッペ
薄切りにしたりんごとクリームチーズをクラッカーに乗せて、粗挽きコショウを振るだけ。
フルーツとクリームチーズは鉄板の組み合わせ。それをクラッカーに乗せることで塩味が足されておつまみ感が増します。
ペアリングの所感
カナッペを口に入れると、リンゴのシャリシャリとクラッカーのサクサクとチーズのねっとりが混ざって楽しい食感。
リンゴの軽い甘みと酸味がクリームチーズの油分に包まれてマイルドに。
そこに微発泡の混醸をゆっくり流し込む。
酒の甘味が比較的弱いのが奏功したのか、序盤はリンゴの風味をそのまま生かしつつ、旨味の段階でようやく強い存在感を表す。
酒の旨味とチーズの旨味が手を繋ぐことで、序盤に漂っていたリンゴのフルーティな香気の伏線が回収されるのです。
簡単に言ってしまうと「めっちゃ合う」ということで。
まとめ
グラフを見ての通り、酒とつまみの強度がほぼぴったりだったのでバランス良くいただけました。
フルーツは甘味が強すぎたり、酸が強すぎたりで難しいこともありますが、チーズと一緒になると、出過ぎたところは緩和されるし、足りない部分は補完されて日本酒との相性が一気に近づきます。
今回はクリームチーズでしたがカマンベールやブルーチーズでも面白いですよ。
なお、柑橘系を使う場合は、酸が強いので酒もそれなりにパンチの強いものを選ぶ必要がありますね。
それではまた!