近年の日本酒ブームを引っ張る存在でもある寫樂の夏酒です。
インプレッション
軽くフルーティで心地よい立ち香、口当たりは柔らかく酸も弱いのでスイスイ飲めてしまう危険な酒。
もう少し酸があったほうが輪郭がはっきりするかなーというのはありますが、まあ平均的に美味しいうすにごりです。ほんのりアフターに感じる苦味が案外いい感じで、キレの良さにも繋がっています。
データ
麹米:山田錦 掛米:夢の香
精米歩合:50%
アルコール度数:16%
一回火入れになります。
五味チャート
五味としては甘みはそこそこ、酸は弱め、旨みは強すぎず、軽い苦み。
飲用温度
良く冷やすか、逆にちょっと熱めの燗も悪くない。55℃くらいにつけることでシャープさが加わるので、ややぼんやりした印象だったのがきゅっと締まるんです。
合わせるつまみ
さて、こいつに何を合わせるか。
うすにごりのふんわり感とスムーズな飲み口から、パッと思い浮かんだのは乳製品。
というわけで、「ポテトのゴルゴンゾーラ掛け」通称ゴルゴンポテトを作りました。
ゴルゴンゾーラに限らず、ブルーチーズは塩気と旨味が強いので、もう大体どんな日本酒とも合っちゃうんですが、特に濁り系および濃醇な酒との相性が良いですね。
作り方
アホみたいに簡単です。
1.ジャガイモの皮をむいてスライス
2.耐熱容器に並べ、軽くラップしてレンジで2~3分加熱
3.ゴルゴンゾーラを適当に乗っけてトースターで軽く焼き目をつける(面倒ならそのままレンジで温めるのでもOK)
4.粗挽きコショウを振って完成
ペアリングの所感
んー、悪くないんだけどな。もう一つ、こうガチっとはまらない。なんだろう…よく分からないけど、とりあえず手元にクミンシードがあったので、なんとなく加えてみる。
…あら?これいけるんじゃないの。いや、びっくり。はまったわ。
少量であればそこまでエスニックな雰囲気にはならず、ちょうどゴルゴンゾーラのクセと同化して深みが出ます。
そして、ポイントは苦味ですね。酒の軽い苦みとクミンの軽い苦みがリンクして同調のレベルが上がりました。
五味チャートにしてみると、メインは甘みと塩気、そして中盤以降の旨味なんですが、いずれもピークが3程度で揃っておりバランスの良い組み合わせであることが分かります。
まとめ
寫樂自体、単体として飲むにはやや凡庸な印象でしたが、意外にもクミンとの謎の相性の良さを発揮したことで一気に存在感を増しました。
つくづく、料理と酒の双方で互いにフォローしながら高めあう関係性って素晴らしいなと思います。
それではまた!