また一人天才を見つけてしまった。
今回ご紹介するのは若干20歳のシンガーソングライター「eill」です。
1998年生まれで昨年彗星のごとくシーンに出現。10月にはデビューミニアルバム「MAKUAKE」をリリース。まだ知名度は限定的ですが、いつブレイクしてもおかしくないですね。
とりあえずは聴いてみてください。格好良すぎて漏らしそうになったよ。
なにこのセンスの塊。これでまだ20歳ってどういうことですか。いやあ、自分が音楽の世界から身を引いたのは間違ってなかったなって、つくづく思いますわ。だって、こんなバケモノ級の才能見せつけられたら、自分のやってたことがほんとに矮小に感じるもの。
FUTURE WAVEの解説
BPM130の魅力
まず特筆すべきは、BPMのチョイス。ミッドからスロウテンポが主流である最近のネオシティポップ~オルタナティブR&B界隈において、BPM130の四つ打ちってのは若干異質。この疾走感あるリズムとテンポのおかげで、若者特有の焦りや荒々しさ、なんとも言えないやるせなさ、それこそ未来(FUTURE)へ向けた希望の眼差しと不安感なんかが全部表現されています。
K-POPの影響
面白いのはサビ前の「UH MAMAMAMA…」の部分で、明らかにK-POPからの影響を感じさせます。商業ベースではK-POPを還元したJ-POPもなかったわけじゃないけど、素直な表現としてこれが出てきたのは、やっぱり時代なのかな。KARAとか少女時代とかが日本でヒットした2010年ごろ、彼女は小学校高学年だったわけでしょ。そのころからK-POPを聴いていたとしたら、それが自然と血肉になってるのかなって。
と思ったらやっぱりそうだ。インタビューでも答えてますね。
eill:小学校のときに、KARAとか少女時代とか韓国のアイドルがすごく流行っていて。そこから韓国のドラマも見るようになったんです。なかでも、『ドリームハイ』(韓国KBSにて2011年放送)という芸能高校を舞台にしたドラマにハマって。そこからTWICEがいる「JYPエンターテインメント」のオーディションを受けたり、授業中にもずっと韓国語の勉強したり、中学生の頃は本気で韓国の歌手になりたいと思っていたんです。
—K-POPにのめり込んだのが音楽との出会いだったんですね。
eill:最初は普通にAKB48とか嵐も好きで、それと一緒にKARAとか少女時代も聴いてたんです。
CINRA.NET – “eillの物語。音痴で病弱だった少女を変えた、ビヨンセとの出会い”
まあとにかく音だけでここまでジジイを興奮させてくれるってのはすごいわ。
荷札酒
そんなeillの音に合わせて飲むならどんな日本酒がいいだろうと考えましたが、すぐに思い浮かんだのが荷札酒。フレッシュ&フルーティでeillのサウンドに呼応するかのようなスタイリッシュかつオシャレな味わいなので、相性は間違いないです。
荷札酒は新潟の加茂錦酒造で醸される新進気鋭の若き杜氏による銘柄。そう、杜氏がやたら若いんですよ。まだ20代半ば。
正直、この杜氏が天才かどうかはわかりません。私は酒を造ったことがないので。ただ、この若さでこのレベルの酒を造れるのはやはり異例のこと。
まだまだ伸びしろのある銘柄なので、今後熟練するにつれてどう変化していくのか。実に楽しみです。
※いろいろ種類出てますが、最初に飲むなら「純米大吟醸 生詰原酒 無濾過」がスタンダードなのかな。ちなみにバージョンが振ってありますが、これは杜氏が「お酒が進化した」と感じるとバージョンアップしていくそう。
普通はさ、若い頃ってのは自意識が過剰で無駄に奇をてらうことが多いじゃないですか。俺は他の奴らとは違うんだ、俺を認めろってね。で、結局完成度が落ちるというオチ。
でも、この荷札酒もeillもすごく真っ当なのよ。変わったことをしないで、ちゃんとセンスで勝負をかけてる。上でも書いたように自分の憧れや影響を素直に表現しているように感じられるんです。
まとめ
とにかく、eillの「MAKUAKE」はアホみたいに素晴らしいのでマジで買ったほうがいいです。
LUCKY TAPESの高橋海プロデュースの「HUSH」やディスコティックなタイトル曲「MAKUAKE」とか最高すぎる。youtubeでもamazonの試聴でもなんでもいいので聴いてみてください。
→参考:Lucky Tapes 『22』の透明感が風の森 ALPHA TYPE2とシンクロする
それではまた!