日本酒ファンの間では近年人気沸騰中の上川大雪、その新たな挑戦である「十勝」の純米吟醸をレポート。
上川大雪 十勝 純米吟醸
上川大雪酒造は、2017年に休眠蔵の酒造免許を移転するという方法で、北海道上川郡上川町に誕生した今時珍しい新蔵。
そんな上川大雪酒造が帯広畜産大学のキャンパス内に新たな蔵(碧雲蔵)を作るというこれまた前代未聞の試み。
そんな経緯で醸されたのがこの「十勝」です。
今回は純米吟醸(精米歩合55%)をチョイスしてみました。
味わい
元々あった緑丘蔵では軟水を使用していますが、「十勝」は中硬水ということで、当然味わいにも影響してくることでしょう。
とにかく、テイスティングをば。
なるほど、かなりきれいで淡麗、透明感がある。ほのかにフルーティな立ち香があり、甘みは弱く旨みもスリムなため、いわゆるモダンな日本酒のイメージ。あー、こりゃ人気出るわ。
一応、苦味は苦味として若干あるんだけど、無駄な雑味とは思えず、むしろ全体を締めてメリハリに寄与している。この辺のたたずまいに男らしさと気品のようなものを感じます。
二日目。んー、これは開けたてのほうが美味いタイプか。やや雑味がでてきて旨みも育ってくるのでバランスが少し崩れてきちゃうかも。とはいえ、充分美味いけど。
五味チャート
甘1.5 酸2 旨2.2 苦0.5
極端な淡麗タイプではないですが、かなり軽い部類なのは確か。
数値からも、非常に甘酸旨のバランスの良さがわかりますね。無駄に突出している部分がない。
合うつまみを考える
軽い日本酒にはとりあえず豆腐かなあ。冷奴はバリエーションが無限だし、湯豆腐でも冷酒で合わせて温度のギャップを感じながら楽しめる。
でも、ちょっと無難すぎて面白くない。なにか一癖あるものは……
などとブツクサ考えながらスーパーをぶらぶらしていると目に入ったのがコレ。
ほお、ジェノベーゼ豆腐とな!これは面白い!と即決。
バジルの香りと吟醸香は好相性ですから、期待できそうです。
実食!
まずはジェノベーゼ豆腐を。
あのね、これソースが美味いわ。
当然ながらバジルの香りがふわっと。軽い甘みと酸味、コクがあり、シンプルにバジルと塩、オリーブオイルだけで作ったソースとは一線を画しています。
五味チャート
数値化すると塩2 甘1 酸1.2 旨1.5 苦0.1ってところか。
酒を含んでみると、それなりに合うには合う。
だけど、見ての通り豆腐のほうが繊細で酒が勝っちゃうのよね。
そこで一計を案じます。
細かくカットしたトマトを適量乗せてみたらいいんじゃないか?俺天才!と思ったらパッケージの写真に載ってました。ボケてきたな。
トマトON!
あー、もう間違いない。完全にこっちです。
見てよ、この見事なチャート!塩2 甘1 酸2 旨2 苦0で、ほぼ同調。素晴らしい。
まとめ
上川大雪 十勝、噂に違わぬ素晴らしい酒でした。
あんまりミーハーなのはどうかとも思うんですが、美味いもんは美味いんだから素直に認めようじゃないか。←何様
そしてジェノベーゼ豆腐。これはめっけもんでしたね。
サラダとかに使っても絶対いけるやつ。リピート確定です。
それではまた!