日本酒ペアリング実践

骨とり鯖のハーブレモンに天狗舞で気楽に家飲み

イオンで買える手軽なおかず「骨とり鯖のハーブレモン」。これ、日本酒のつまみとしても優秀なんです。

骨とり鯖のハーブレモンを分析

鯖!ハーブ!レモン!

こんなもん、もう日本酒と合わせてくれって言ってるようなもんですよね。

ハーブやレモンは、特にフルーティな吟醸系の酒との相性が抜群なんですが、これはどうでしょう。

五味チャート

まずはいつものように五味から見てみます。

数値としては塩2 甘1.5 酸2 旨2.5 苦0.2ってところでしょうか。

レモンの酸味は意外に弱く、少しフルーティな彩りが加わっている程度。

かといって塩気が突出しているわけでもなく、ちゃんとまとまりのある味です。

合わせる酒を考える

フルーティ系日本酒と青魚の相性

最初に書いたように、レモンやハーブという言葉に引っ張られて吟醸系で合わせたくなるんですが、実はフルーティ系と青魚は相性がイマイチ

臭みが変に悪目立ちしちゃうんですよ。

もちろんハーブとレモン自体が臭み取りになるんですが、これに関しては一般向け商品ということもあり、両者は控えめで、良くも悪くも鯖の存在感がわりと残っているんですね。

そんなわけで、今回は華やかで軽い吟醸系は避けることにします。

(実際、フルーティ系の生酒で合わせてみたところ鯖の旨味がやや臭みとして感じられてしまう結果になりました)

クラシックタイプを選ぶ

じゃあ、何がいいかっていうと、ここは逆張りして割とクラシックでオーソドックスなタイプにしましょうか。

モダンな吟醸系よりこっちのほうが余計な香りがなく、日本酒らしい糠臭さが良い働きをしてくれるはず。

旨味が強めなので、あまり軽いものではなく、ある程度酸もしっかりした味わいの酒がいいですね。

天狗舞 山廃純米

入手しやすく酸とボディがゴツめのクラシック酒と言えば、真っ先に候補に挙がるのが、この天狗舞 山廃純米。

スーパーやコンビニでも扱われていることが多いので舐められがちですが、非常に質が高いです。

逆にこれだけのクオリティで大量生産できるのは凄いことです。

スタンダード・オブ・スタンダードは伊達じゃないぜ!

五味チャート上の予想では酒のほうがやや強い感じですが、山廃らしい乳酸と武骨なボディがどのように鯖の癖のある旨味を制御するのか。

実食!

ハイ正解!これは最高。

まず、旨味のバランスは文句なし。もちろん相乗効果で旨みも倍増。

香り、風味の面でも予想通り鯖の臭みをうまく抑えています。

さらに山廃の乳酸がレモンの軽いクエン酸と混ざることで、新たな酸同士のハーモニーが生まれます。

ここは想定してなかったんですが面白いですね。

セオリーとしては、乳酸などの温旨酸系とクエン酸などの冷旨酸系は、いずれも同じ系統同士で合わせると上手くいくのですが、こうしてあえてぶつけてみるのも手なんだなあ。

まとめ

手軽に買えて、即食べられるおつまみ、それにどこでも手に入るような酒がめっちゃ合うなんて最高じゃないですか。

やはり、こういうペアリングじゃないと読者の皆さんに再現してもらえないですからね。

しかし、違う系統の酸をぶつける手法は発見でした。今後、もう少し追求していきたいところです。

ちなみに、お好みでローズマリーやタイムなどを足してさらに香りを強め、レモンもがっつり絞るなんていうカスタマイズも全然アリです。

それだったら、華やかな吟醸系とも合うかもしれないですね。ある程度濃いやつに限りますが。

それではまた!