日本酒セレクション

いか純米は本当にイカに合うのか

先日のお仕事でイカ刺しと日本酒のペアリングを探ったんですが、その際参考のために買ったのがコイツ。

いか純米。イカ専用日本酒。

→イカの刺身に合う日本酒5選 | SAKE Street Store

この手の〇〇専用ってのはハズレが多いんだけど、これはかなり良かったです。

ただ、店では扱いがなく記事にはできないので、ここでご紹介する次第。

いか純米のインプレッション

醸すは石川県の数馬酒造

ここって竹葉が有名なんですけど、正直これまでそこまでちゃんと向き合ったことなかったんです。

ただ、いか純米のクオリティを鑑みると、これは竹葉もちゃんと飲まないといかんなと思いました。

肝心の味わいですが、第一印象は柔らか。穏やかで優しいタイプですが、旨味が抜けていくことなく食材をキャッチします。

燗でも映えますね。

ゴツくもなく香りが派手なわけでもなく、地味といえば地味ですが、落ち着いた中にもほんのり華やかな要素もあり、今っぽくもあるなあと。

五味チャート

数値化すると甘2酸1.8旨2.5苦0.2くらい。

変に甘いとか酸っぱいとかはなく非常に良いバランスです。

合わせた料理

いくつかの料理で試してみましたが、一番同調性が高かったペアリングはスルメイカの刺身でした。

もちろん、刺身だけではなく火を入れた料理とも相性はいいですよ。

スルメイカの刺身

酒の柔らかなテクスチャーがスルメイカのねっとりした感じと非常によくマッチします。

ヤリイカなどコリコリしたタイプとは今一つかな。

チャートを見ると、甘味とうま味が同調しているのがわかります。とはいえ、やはりテクスチャーなんですよ。そこが一番ペアリングに影響を及ぼしています。

なお、冷酒から燗まで、どんな温度帯でも堅実に合わせられますので、イカ刺しだけであってもいろいろ試す楽しみがありますね。

イカとブロッコリーの塩炒め

ロールイカをブロッコリーと合わせて塩炒めにしてみましたが、これもいい感じ。

片栗粉で少しとろみをつけたのが、テクスチャーの面でさらに良かった!

刺身との違いは甘味の有無です。甘味がなくなった分、同調するパートが一つ減っています。

とはいえ、やはり酒の柔らかさがイカのまろやかな風味と合致しますので、良いペアリングと言えます。

ガリバタ焼き

これもロールイカですが、ニンニクとバターで焼いて、醤油を一垂らし。

香ばしさとバターの風味が特徴。

チャート的には塩炒めと大差ありません。

ただ、他の野菜などはなくイカのみなので、イカの旨味・風味をダイレクトに味わえます。

その意味では、いか純米がより実力を発揮しやすい料理とも言えます。

充分美味しいんですが、あえて難を言うなら酒の酸が若干邪魔かもしれないですね。まあでも、燗をすればそれもほとんど気にならなくなります。

まとめ

イカ料理は多くのバリエーションがありますが、わりとどんな味付けであっても追随してくれます。

思いのほか幅の広いお酒なんですね。

イカをいただくときは、お供にぜひ。