先日の記事で予告した通り、今回は禁断のブレンド、コーヒー燗を使ってチョコレートと日本酒を合わせていきたいと思います。
コーヒー燗について
チョコレートと日本酒を合わせる試みの第二弾、今回はちょっと変化球でコーヒー燗を合わせていきます。
そもそもコーヒー燗とは何なのか?それは、お燗にコーヒーを混ぜる飲み方。そのまんまですが、それ以上でも以下でもありません。
正直、邪道も邪道なので、眉をひそめる方もいるかもしれませんが、これが案外美味いので、一度騙されたと思って試してみてほしいのです。
そもそも、この飲み方を初めて知ったのは6月に和光市のまきしま酒店で行われた川西屋酒造の試飲会でした。そこで麗峰の燗にコーヒーを垂らされたときは衝撃でしたね。ちょっと!うそでしょ!と。
だがしかし、これが滅法合う。麗峰はもともとカカオっぽいニュアンスがあるんですが、それと見事にシンクロするんですわ。
その時は酒オンリーでしたが、ペアリングおじさんとしては合う食材を職業病的に考えてしまうわけです。そして速攻で思い浮かんだのがチョコレート。というかそれ以外思い浮かばないんですが。
コーヒー燗の作り方
コーヒーの種類
缶コーヒーでもドリップしたものでも、顆粒のインスタントコーヒーでも何でも構いません。無糖の方がブレンドはしやすそうですが、チョコに合わせる前提であれば加糖でも特に問題はありません。
豆の種類もそれほどこだわる必要はないと思いますが、あまり酸が強いタイプだと典型的なコーヒーらしさを感じづらいかもしれません。
コーヒーの量
コーヒーの量はお好みですが、日本酒を生かしてコーヒーのフレーバーを添加するくらいであれば、日本酒9:コーヒー1くらいでしょうか。
注ぐ順番
特に決まりはありませんが、私の場合はまず杯に5mlほど無糖のコーヒーを入れて、そこにお燗を注ぎます。この順番が逆だとコーヒーが混ざりづらいのでやはりコーヒーは先のほうがベターかと。
コーヒー燗に向く日本酒
基本的には燗向けのどっしりした純米酒が合います。中でも熟成酒はカカオ系のフレーバーがある場合が多いのでコーヒーの香りと親和性が高いです。このへんは好みなのかもしれませんが、私個人としては甘みが強くて酸が弱いタイプのほうが合う気がしますね。
ちなみに温度は冷酒や常温でも問題ありませんが、できれば燗のほうが旨みがふくよかになってよりコーヒーと馴染みやすくなります。
それでは次にコーヒーと合いやすい銘柄を3つほどご紹介します。
丹澤山 麗峰
しっかりした味わいながらバランスが良い、神奈川の雄。冷やでも充分美味しいですが、燗にするとその倍は美味い。カカオのニュアンスがあるので、コーヒーと非常に相性が良いです。
鏡山 秋あがり純米
川越発の濃醇系。どちらかといえば甘口で熟成耐性が強いのが特徴。特にこの秋上がり(ひやおろし)は一部でチョコバナナと評されるほど、カカオっぽさが際立っています。
なお、秋季限定の販売ですが、わかっている店は数年越しの熟成モノを通年販売しています。
剣菱
入手のしやすさが魅力のスタンダード銘柄。純米ではありませんが、濃醇な熟味とスパイシーさが同居しており、酸がやや低めなのでコーヒーとも問題なく合います。
これ以外にも、以下でご紹介の銘柄で数年熟成しているものならほとんどいけると思います。
まとめ
今回は実際に食べた際のレポートは省略しました。なぜなら前回記事(以下)とほとんど同じ表現になるから。つまり、言うまでもなくめちゃめちゃ合うってことです。
熟成酒であれば、どれもそれなりにチョコと合いますが、もう一段相性のレベルを上げたいときに、この手法はかなりおススメです。
あとはチョコ以外と合わせられる料理を探すことが課題ですね。コーヒーって普通は料理と合わせないので、それを考えるとなかなか微妙なんですが、だからといってケーキとコーヒー燗が合うかと言えば、これはNO。
スパイス・ハーブ系の料理とは案外良い相性のような予感がしていますが、このあたりはまだまだ研究の余地ありですね。
ではまた!