SAKE DIPLOMA

SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)二次試験【ブラインドテイスティング】対策

SAKE DIPLOMAにおける最大の難関、ブラインドテイスティングについて、どのように練習するのがもっともよいのか、どんな酒を用意すればいいのか、など経験に基づいてご説明します。

出題される酒の傾向

まずは出題される酒の種類について考察してみます。

大手の有名銘柄?

推定1000~2000人が同じ日に試験を受けるので、それなりに生産能力の高い蔵の酒が使われるのでは?と思われがちですが、これは微妙です。

1種類当たり100cc、最大2000人分用意したとしても、111升=1.1石程度。

このくらい微々たるもの、とまでは言いませんが、100石程度の小規模経営の蔵でないかぎり1石くらいは何とか用意できると思います。

いずれにしろ、銘柄を予測することは難しいです。そもそも、銘柄がわかるよりも、その酒をどう分析・表現できるかが問われているわけなので、銘柄を予測することには大して意味がないんですよね。

わかりやすい通年商品

ブラインドテイスティングは、銘柄当てクイズではありません。いかにその酒の味を自分なりに分析できるかが大切です。

その意味では、出題される酒は米の品種や製法の特徴がわかりやすく出たものになるはずです。

五百万石のくせにめちゃめちゃ濃い酒も存在しますが、それはこの試験の本質からは外れています。個人で楽しむ分には、こういう酒って最高に楽しいんですけど。

ですから、季節ものや限定品、変わり種などは除外すべきで、通年で味と品質が安定しているスタンダードなものが選ばれるでしょう。

全て火入れ

生酒は管理コストもかかりますし、会場ごとで味わいに差が出るリスクもあるため、まず使われないと思っていいです。必ず火入れです。

使用米

先述したように、わかりやすい特徴をもった品種が選ばれるはずです。

すなわち、山田錦・五百万石・雄町あたり。

特に、山田錦は過去の1次試験や論述などでも頻繁に登場する協会大好き品種なので、ここは絶対です。

あとは美山錦、愛山あたりも怪しいですが、余裕があれば候補に入れておいてもよいかと思います。

いずれにせよ、淡麗系と濃醇系それぞれがバランスよく使われるはずです。つまり五百万石と美山錦の差を当てさせるような難解な問題は出ないと思って間違いありませんので、そのあたりは安心してください。

なお、2019年は出羽燦々の酒が出題されましたが、これは品種を当てるというよりもセルレニン耐性酵母がらみなので(銘柄はおそらく出羽桜?)あまり気にする必要はありません。

酵母

セルレニン耐性酵母は過去3回とも出題されています。

代表的なところで「10号」「16号」「17号」「18号」「CEL24」など。ここは判別がつくようにしておきたいですね。

製法

山廃は過去すべて出題されていますので、これも必須。まあ、山廃は特徴がはっきりしてますので一次試験を突破できたレベルの方なら判別は簡単です。

残りはほぼ速醸でしょうけど、もしかしたら生酛がするっと入ってくる可能性はゼロではないです。とはいえ、これも山廃の代わりに使われる程度で、同系統である生酛と山廃を区別しろとは言わないと思います。

醸造アルコール添加の有無

これも必須。

純米とアル添は必ず区別がつくようになっておいてください。もしかしたら、ここが一番難関かもしれないですね。

練習になりそうな銘柄を考える

そんなわけで、ここまでの考察から練習台になりそうな銘柄を考えていきます。

なるべくスタンダードでスーパーやデパートなどでも入手しやすいメジャーな銘柄を中心にチョイス。さらに試験を受けた経験上、山廃以外は比較的すっきりしたタイプの酒が出ていたので、そっちの系統でそろえました。

あくまでミニマム、最低限ではありますが、とりあえず表にしてみます。

使用米酵母アル添造り特定名称
楯野川 主流山田錦1801号なし 速醸純米大吟醸
久保田 紅寿五百万石14号なし 速醸純米吟醸
久保田 千寿五百万石新潟酵母あり 速醸吟醸
真澄 純米山田錦7号なし 速醸純米
天狗舞 山廃純米五百万石9号なし 山廃純米

楯野川

セルレニン耐性酵母の特徴をつかむために、ここでは1801号を使った主流をチョイス。リーズナブルにカプロン系の華やかな香りを感じられます。

山田錦らしさもあって、安定した味わい。

久保田 紅寿 / 千寿

久保田の二種でアル添の有無を。同じ米なので比較しやすいですね。

また、紅寿と楯野川を比較することで五百万石と山田錦の違いも学べます。

真澄

他との比較用に悪目立ちしないスタンダードな酒という位置づけ。変なクセがないので使いやすいですね。すっきり系なので他と差が開きすぎないというのも、テストに使うにはナイスな条件。

7号酵母の発祥蔵なので、7号のデファクトスタンダードを知るには持ってこいだしね。

天狗舞

山廃と言えば天狗舞、天狗舞と言えば山廃ってくらい、山廃を学ぶには最適な銘柄。とりあえずこの味を覚えておけば山廃対策はばっちりです。

ブラインドテイスティングの練習方法

教材用のお酒を用意したら次は実践練習です。

用意するもの

・テイスティングシート

(クリックで大きな画像が開きます)

・同じグラス(100均で充分です)×4

・空のペットボトル(乳酸菌飲料などに使われる少容量のものが使いやすい)×4

手順

通常、ひとりでブラインドテイスティングをするのは非常に難しいですが、この方法であればなんとかなります。

なお、試験は常温下で行われますので、冷酒の状態だと印象が変わってきます。練習は常温に戻してから行うことを忘れないようにしましょう。

1.各銘柄に番号を振る

2.それぞれ100cc程度を空のペットボトルに移す

3.底面に銘柄の番号を記入→目をつぶってシャッフル!

4.番号を隠しつつ、4つのグラスに注ぐ

※グラスの前に番号を書いたペットボトルを置いておきましょう。でないと答え合わせできませんので。

5.テイスティング

テイスティングのポイント

闇雲にテイスティングしても意味がありません。美味しいだけです。本番に即した形で見極めを行いましょう。

テイスティングシートに馴れる

正解があるようでないし、表現にある程度馴れておかないと苦労します。

こちらが表現の例です。

(クリックでpdfが開きます)

実際の試験ではこの情報に基づいてマークシートにマークしていきます。

それぞれの酒ごとに、グレープフルーツ・ 洋ナシ・ バナナ・ メロン・ スイ カ ズラ ・ 月桂樹の葉・ 炊いた米・つきたての餅・ サワークリーム・ スモーク香…みたいな感じで項目がずらっとありますので、それぞれ感じた香りにマークをしていく感じ。もちろん複数マークしてもOK。

とりあえずは上の表現例やテキストの表現例を丸暗記するくらいの勢いで。さらにソムリエ協会会長、田崎氏の著作も参考になります。

例えば、吟醸酒にありがちなスイカズラの香り。スイカズラなんて知らねえよ!って人がほとんどでしょう。

これね、現実にその香りであるかどうかは問題じゃないんです。ソムリエはこのタイプの酒をこう表現するってのを覚えて、その通りに再現することが試験では大切なんです。

この際、自我は捨てましょう。

予想される設問に基づいて味わう

次は設問。やっぱり気になるのはここですよねー。とりあえず、過去の傾向から独自に予想してみます。

  • アルコール添加をされたお酒はどれ?
  • 「山廃酛」を使用したお酒はどれ?
  • 「セルレニン耐性酵母」を使用したお酒はどれ?
  • 「五百万石」を使用したお酒はどれ?
  • 「山田錦」を使用したお酒はどれ?

とりあえず、今回用意した教材があれば、これらはこなせます。

精米歩合によるグレード(特定名称)を当てるのも勉強になるとは思いますが、上の5つに比べれば必須ではありません。

その理由は以下に詳しく書いてありますが、要は純米吟醸も純米酒って答えておけばOKなんですよ。ただし、今年も同じかどうかは保証できませんので、そこはご了承ください。

まとめ

とにかく、大切なのはアル添と純米の区別がつくようになること、これが第一。その意味ではもう一本、アル添吟醸もしくは大吟醸を用意してもいいですね。

本醸造も余裕があれば覚えておきたいですが、私が予想する設問には今一つそぐわないというか、他と味わいのタイプが違いすぎちゃって問題にしづらいような気がします。まあ、わかんないですけど。

あとは、セルレニン耐性酵母の特徴をつかんでおくこと。吟醸系はセルレニン耐性酵母じゃなくても、それなりの華やかさがあるので分かりづらいんです。

あ、そうそう。焼酎について詳細は割愛しました。とりあえず、芋、麦、米、黒糖、泡盛の安い少量カップのやつとか買って違いを覚えれば大丈夫じゃないですかね。私はそれで乗り越えました。

それでは、ご検討をお祈りします!

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