最近よく聞く「ペアリング」って結局どういうことなの?マリアージュとどう違うの?そんな疑問をお持ちの方のために、詳しく解説します。
ペアリングとマリアージュの使い分け
今回はこのサイトのテーマでもある「ペアリング」と「マリアージュ」の違いについて。
こんなもんググれば腐るほど出てくるので、今さらこのサイトで取り上げることでもないんですが、一応それなりに使い分けをしているので、自分なりの解釈をお伝えしておこうかなと思いまして。
マリアージュとは
マリアージュ(mariage)とはフランス語で結婚・婚姻のこと。そこから転じて、「二つの異なるもの同士の組み合わせによって、新たなものが生まれる」という意味合いで使われます。
具体的には、ある食事に対して特定の酒をマッチングさせることで、料理も酒もお互いに高めあって飛躍的に美味しくなるといったイメージ。
もともとはワインの世界の用語だと思いますが、今や食の世界だけでなく、ちょっと小洒落たアートや音楽の評論なんかでも目にすることがありますね。
ペアリングとは
それに対してペアリング (pairing) とは、もうすこし広義で単に「(良い)組み合わせ」という意味で使われることが多いようです。食の世界ではフードペアリングという言い方をされることもあります。
マリアージュが掛け算だとしたら、ペアリングは足し算か。
いずれにしろ、ペアリングはマリアージュの上位概念であり、言い方を変えればマリアージュはペアリングの一種であると言えます。
このサイトでの使い分け
「マリアージュ」というとやはり少々鼻につくイメージもあるのか、最近はペアリングのほうが目にする機会が増えてきています。
このサイトにおいても、主にペアリングのほうを使っていますが、これも同じ理由ですね。マリアージュ、マリアージュって連呼するのもなんか気取った感じがして嫌なんですよ。
それと、難易度の問題。まれに最高の組み合わせができたときはマリアージュと言っていますが、それってそう簡単なことじゃないんです。相性のいい組み合わせはそこそこ作れますが、目の覚めるような感動を与えられるほどの組み合わせはなかなかできません。
だからハードルを下げて、ペアリングという言葉で逃げているわけです。
このサイトでは、音楽と日本酒のペアリングなんて企画もやってますが、あれをペアリングじゃなくてマリアージュと表現することは、例えるなら犬と猫を交尾させて子供作らせるようなもんです。何言ってるのか自分でもよくわかりませんが、要するにすごく難しいんだぞと。
でも、ペアリングだったら、犬と猫を一緒に飼うだけなわけですよ。一見、相性が悪そうですが、やり方次第、個体の組み合わせ次第ではうまくいくこともあります。ペアリングのほうが汎用性が高いってことですね。
フランスでは「マリアージュ」は使われない
蛇足ではありますが、ひとつ面白い話が。マリアージュはフランス語ですが、ワインの本場フランスでは使われないそうで、一般的にはペアリング、またはアコー(accord※)が使われるようです。(出典:Precious.jp)
ですから、もしもフランスに旅行なんか行って、ちょっと気取ってマリアージュがなんちゃらとか言っちゃった日には現地の人に「何言ってんのこいつ?」という反応をされると思われるのでドMの人はぜひ試してみてください。
※出典元では「アコード」と書かれていますが、フランス語の発音的には「アコー」または「アコール」が近いかと。まあ、どうせ使わないからなんでもいいんですが。
しかし、そうなってくるとマリアージュって一体誰が言い出したんだろうね、と疑問が沸き上がってきますが、そのあたりの起源については調べても出てきませんでした。誰か知ってたら教えてください。
まとめ
マリアージュとペアリングの違い、分かっていただけたでしょうか。
昨今の傾向としてはペアリングのほうが幅を利かせてきており、拡大解釈されて従来マリアージュと言っていた領域を侵食しつつある印象もあります。ですから、もはや細かい差異にこだわる意味はあまりないのかもしれません。
とはいえ、一応ニュアンスの違いは分かっていたほうが、いろいろ話が伝わりやすいのもまた事実ですので、まあこれも無駄な記事にはならないかなと。
ではまた!